日本一の権力者?財務事務次官
キャリア官僚の最高位は事務次官と呼ばれるポストです。(例外あり。検察庁は検事総長など。)
政治家の名前は知っていても各省庁の事務次官の名前を知っている人はほとんどいないでしょう。しかし、財務事務次官(以下財務次官)の名前だけは絶対に覚えておいて下さい。
ノーパンしゃぶしゃぶ、公文書改ざん、事務次官セクハラなどのスキャンダルで組織が弱体化したと言われる財務省ですが、依然としてその力は絶大!実質的に予算編成を担っているからです。
予算がなければ何もできないので政治家や他の省庁は頭が上がりません。そして、その予算を司るのは「財務省主計局」です。
一口に財務省と言っても下の図のような組織構造になっています。財務省は全省庁職員のうち1/4近くのを占めている巨大組織です。
「主計局にあらば人にあらず」と言われるほど主計局の力はスバ抜けています。その証拠に、歴代の財務次官はほとんど主計局長から就任しています。(戦後、主計局局長から43人。国税庁長官から5人。その他8人)
財務次官がどれくらい凄いかというと、総理大臣より権力を持っている人が度々出てくるレベルです。前財務次官の岡本薫明(おかもとしげあき)氏もその一人。
数年前まで「モリカケ問題」で野党が安倍首相を執拗に攻撃していたのが、ある時期を境にピタリと止みました。2018年7月、岡本氏が財務次官に就任した時と重なります。
同時に、公文書改ざんと福田元次官のセクハラスキャンダルによる財務省バッシングも報道されなくなりました。
あれだけ無駄に騒いでた野党とマスコミが同時に黙り、二度の延期で消費税増税に抵抗を見せていた安倍首相はあっさり増税!どんだけ凄いの岡本様!
財務省は国家予算と税金を扱う性質上、政策提言も積極的に行います。当然政治家との繋がりも強くなりますし、マスコミを使って世論誘導もお手の物です。
残念ですが安倍首相も財務省を敵に回す覚悟はないんですよ!増税完全凍結を掲げて、去年衆参ダブル選挙をやらなかった時点でお察しです!
愛国官庁も今や昔?一枚岩じゃない財務省
かつての財務省(旧大蔵省)は共産主義に対抗する愛国官庁でした。角栄のバラマキ政治のせいで財政状況が悪化したトラウマにより、緊縮路線に走るようになったのは以前書きました。
緊縮で経済が落ち込むと少ない税収を分け合うことになるため、配分を決める財務省の権力が増し、増税は偉いという風潮が省内で出来上がります。
その結果、「不景気でもデフレでも死んでも増税!」という超強硬派と「状況次第だけど増税は基本」という普通の増税派の二つの勢力があって、どっちにしろ増税が前提という地獄のような状況です。
増税を勝ち取ったやつほど出世できるという先例が出来上がっているので負のスパイラルに陥っています。
増税によって日本の国力が落ちると中国が喜ぶので、財務省には親中派しかいないのか??というとそうでもありません。
5年前、中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に日本も出資すべきかどうか話題になりました。マスコミは親中が多いため参加を煽り、親中派の財務官僚も訪中するなどAIIB参加へ動いていました。
それに真っ向から反対したのも同じ財務省の香川財務次官(当時)です。すでに日本主導で設立されたADB(アジア開発銀行)という機関があり、利害が被るため譲れなかったのです。(財務省の天下り先でもあります)
しれっとAIIBと同じ1000億ドルを追加拠出することを決め、ADBの存在感をアピールし他国をけん制。結果、AIIBの計画は思うように進まず、ADB(財務省)を守ることに成功しました。
国民にバラまくのはめちゃくちゃ遅いのに、自分の利権を守る行動は信じられないくらい早い!
とはいえ、この時の財務次官が親中派だったらどうなっていたことやら。そういう意味でも財務次官人事は重要なのです。
検察庁人事も結局官邸が敗北したのは記憶に新しいですよね。(あれは安倍政権のやり方に大きな問題があったと思っていますが)
官僚は公僕!政治は有権者のもの
現在安倍首相の周りを固めているのは経産省出身の官僚です。中でも最側近は今井尚哉(いまいたかや!ここテストに出ます!)内閣総理大臣秘書官兼内閣総理大臣補佐官(漢字多すぎなげぇ!)
アベノマスクや星野源とのコラボ企画、GOTOキャンペーンなども今井氏と側近で決めたと言われています。選挙で選ばれていない人間が政治を行うのは民主主義ではありませんし、責任も取らずに卑怯です。
また、先日環境省の事務次官に就任した中井氏(財務省主計局出身)は就任会見で「増税」について言及しました。
あの財務省様でさえ公の場では、「税金の使い道を我々の分際で決める立場にない。国民の皆様に選ばれた国の代表者が国会で決めるべきもの」と答えています。
官僚が税金に関する発言をするのは越権行為であるということです。中井氏は環境次官という立場ながら炭素税導入の必要性に言及し、憲法84条の租税法律主義違反に当たるのではと一部で炎上しています。
昔は天皇陛下に仕える公僕として覚悟を持ち働いていた官僚以下役人ですが、現在ではその意識も希薄になり、公文書改ざんや横領、果ては増税したいと言い出すなど暴走が増えました。
どん太は日ごろから、官僚支配と癒着する自民党政治に終止符を打たない限り日本は緩やかに死んでいくだけだと書いてきました。
しかし勘違いして欲しくないのは、官僚は腐っても官僚です。幼い頃から負け知らず。事務処理をやらせれば超優秀な人材なのは間違いありません。彼らが悪だくみしにくい環境を作って日本の為に働いてもらいましょう。
問題は個人というよりも組織や構造にあります。誰も知らないし見てない。ばれない。やりたい放題できるからやる。ただそれだけのことです。
ではどうすればいいか?いつも言っているように、有権者が最低限の知識を身に着け監視し続けるしかありません。
官僚というのは目立つのが大嫌い!ジョジョ4部の吉良吉影みたいなもの(静かに暮らしたい)!
おかしい官僚がいたら「〇〇省の〇〇がさ~」とツイートして周知しましょう。政府や官僚は間違いなくツイッターの動向も気にしています。
ツイッターをやっている政治家相手ならリプ欄にコメントを残すのが有効です。ボロを出す人も多いですし、本人に見てもらうのではなくその支持者の目に入れることが重要だからです。
・官僚様は出世がお好き。目立つの嫌い。
・官僚が悪だくみするのは、不正をできる環境に問題がある
・現財務次官と現主計局長は岡本様ほどの権力はない。減税、増税阻止のチャンス!
・ツイッターをやってる政治家への質問は有効。喧嘩腰ではなく丁寧な言葉で!
・最低限の勉強・監視・周知!(悪徳為政者にとって脅威なのは賢い国民)
・官僚・自民癒着政治を終わらせないと日本に未来はない
最近は若い世代を中心に出世(仕事)よりもQOL(生活の質)を重視する風潮になっていますが、バリバリ上を目指して頑張っている人も少なくないでしょう。
キャリア官僚もその人種の一つ!
世の中では政治家に厳しい目が向けられることはあっても、官僚について言及されることは少ないです。
しかし!現在の日本を動かしているのは一握りの官僚!そこで今回は、財務省人事の重要性を見ていこうと思います!