注意点として身長100cm未満のお子さんや、妊娠中、年配、車いすの方などは利用できません。通常の映画料金に+1,000円で鑑賞できます。
そしていよいよ4DXシアターへ。座席ゆったりで足も伸ばせて快適そう!お、始まった……!?
もちろん初めての人も楽しめる名作なので、是非みて欲しいですね!ネタバレになる部分は最後にまとめておきますね。
どん太は映画や落語を劇場で観るいると眠くなるんですけど、4DXの効果で全く眠くなることなくあっという間の2時間でした!
・座席が前後、左右、上下に動くぞ
・ミスト、エアー、風、嵐、煙、香り、雨、雪が出ることがあるぞ
・臨場感が段違いにスゴい
・大人でも楽しめる
・座席から落ちないように注意しよう
・びっくりして飲み物や食べ物をこぼさないようにしよう
・手元のスイッチで水のオンオフを切り替えられるが、雨や霧は止められないので濡れてもいい恰好で行こう
・2D映画より3D映画対応の4DX上映作品がおすすめ
・座席が動いているので、トイレの時は注意して立とう
ミュウツーの逆襲EVOLUTIONの感想、考察※ネタバレ注意
ボスとの会話でも少し触れましたが、本当に安心して観られる作品です。初代ミュウツーの逆襲(完全版ではない方)をそのまま3Dにした感じです。
なんのためのリメイクなんだ?という意見もあるようですが、個人的には変にアレンジするよりいいと思います。
3Dになるというだけで十分現代的なアレンジですし、4DXがさらにそれを高めてくれました。
一つだけ残念な点を挙げるとするなら、完全版の方をリメイクしてほしかったという点です。作品の終盤「涙」が重要な役割を果たす場面があるのですが、完全版の方が涙への伏線が張られていて分かりやすかったからです。
さて物語ですが、幻のポケモンミュウの細胞から人間によって造り出されたミュウツーが、自己の存在に疑問を持ち、その証明のために人間に逆襲するという物語です。
ポケモントレーナーとポケモンをおびきよせ、ポケモンをコピーし、オリジナルのポケモンたちと戦わせます。人間やオリジナルであるミュウに勝つことによって、自分の存在を確立できる(自分こそがオリジナルになる)と考えたわけです。
ミュウツーだけが悪に見えますが決してそうではありません。自分の居場所を脅かされるオリジナルも必死に応戦します。お前は間違っていると。しかしこの場合、そもそもどちらが正しくてどちらが正しいなんてこと、誰が決めるのでしょうか。
オリジナルポケモンとコピーは、なぜ争うのか疑問を持ちつつも戦います。象徴的なのがニャースとピカチュウです。
ニャースは鋭い爪を出し、コピーニャースを攻撃しようとしますが「この爪、痛いだろうにゃー…」と躊躇います。人間の感情と言葉を操れるニャースだからこそ、相手のことを考え戦いを放棄します。
一方、ピカチュウは一切手を出さずコピーにやられるがままです。サトシのピカチュウは人間に育てられてきて、野生のポケモンではない。しかしコピーでもない。どっちつかずな「不確かな存在」との自覚があります。不確かな自分が、オリジナルの側に立ってコピーと戦うことへの葛藤から手が出せないのです。
そんな中、ミュウとミュウツーの戦いは激しさを増していきます。そこでサトシは、2匹の戦いを止めようと生身で割って入るという驚くべき行動に出ます。普段ポケモントレーナーとしてポケモン同士を戦わせるサトシが、ポケモンの戦いを止めに入るという矛盾した行動をとったのです。
2匹のサイコウェーブを喰らったサトシは石になってしまいます。バトルを肯定してきたサトシが無意識にバトルを否定してしまった。自己の存在の否定。それゆえ石になるしかないということでしょうか。
石になったサトシにピカチュウが駆け寄り、息を吹き返してくれと必死に電撃を流します。しかしサトシは石のままです。
不意にピカチュウが涙を流します。この涙は、主役のサトシを石から戻すためのご都合主義や、感動のための演出ではないと、涙嫌いの脚本家の首藤さんは述べています。
自己の証明なんてものは、自分が勝手に思ってればいいだけのことで、他者に迷惑をかけることではないのです。
ピカチュウは、身体を張って戦いを止めてくれるサトシの喪失感から涙しました。それは他のポケモンにとっても同じです。ゆえに、他のポケモンたちもコピーを含め涙します。
その涙が集まりサトシは石から元に戻るわけですが、これを見ていたミュウツーは驚きを隠せません。戦いを止める人間がいる。それは意識的なものではないにせよ、希望は持てると考えを改めます。
コピーでもいい。ここにいるだけでいい。しかし、同じものが二つ存在すればいずれまた争いが起こると考え、サトシたちの記憶を消しコピーを引き連れ立ち去ります。
「我々は生まれた、生きている、生き続ける、この世界のどこかで」と。
名作は色褪せませんね!4DXで最初はしゃいでいた子供が、ピカチュウがサトシに駆け寄るシーンではすすり泣いていました。考えさせられる作品なので、是非子どもと一緒に観てほしいです!