ドコモが分離プランの義務化により新料金を発表したものの、やはり端末割引がなくなることを踏まえると、ほとんどのユーザーで実質値上げだった…
auの新料金体系を徹底解説!音声・通信プランはそれぞれ3パターン
auも新しい料金体系を発表しましたが、基本的な部分はdocomoとほぼ同じです。端末代金と通信料金を分離し、通信料金は通話プラン+データプランという形でシンプルにしています。
まず、通話プランについては、(30秒/20円・家族間通話は無料)をベースとして2種類のオプション、5分以内の国内通話が無料になる「通話定額ライト(+月額700円)」か、国内通話が無料になる「通話定額(+月額1,700円)」がつけられます。
・通話定額ライト(5分以内は無料、それ以降30秒20円):700円
・通話定額(国内通話が無料):1,700円
通話プランはこの3つの中から選択します。また、通話定額ライトは加入から12ヵ月間・月額500円(200円割引)で利用できるスタートキャンペーンを実施するそうです。
まぁ通話プランは完全にdocomoの後追い、ほとんど同等の内容ですね。ただし、auには細かい条件があり、思わぬ落とし穴もあるので注意しておきましょう。
基本的に家族間通話は無料とされていますが、新しい料金体系では、どのような場合に家族割が適用されるかという詳細が発表されていません。
恐らくは旧料金体系と同様なのでしょうが、auでは家族間通話が無料となる条件として2年契約が必須でした。こういった細かい部分で、auでは損をすることが多いです。
docomoでは、2年縛りが必須ではないので、その点でauは見劣りします。
また、後ほど詳しく解説しますが、新料金体系における家族割引もauは同居が必須条件となっていたりして、docomoの3親等以内なら別居していてもOKという条件とは、かなり差があるので注意が必要です。
そして、通信プランについては、docomoはギガホとギガライトの2パターンでしたが、auは「新auピタットプラン」「auフラットプラン7プラス」「auデータMAXプラン」の3パターンがあります。
ちなみに、auの新プランは全て2年契約が条件となっており、更新月以外だと契約解除料9,500円がかかる点に注意しましょう。
新auピタットプラン:段階制のデータプランで月額2,980円〜
データ利用量に応じて3段階(〜1ギガ・〜4ギガ・〜7ギガ)の月額料金が適用されるプラン。ほとんどデータを使わない、ほぼ常にWi-Fi環境がある人に向いているプランですね。
料金は上記の通りとなっています。内容はdocomoのギガライトを意識していて、料金は横並びです。
また、一見すると月額1,980円から使えますが、前提条件が酷すぎます。真の料金は言うまでもなく、青線で強調した部分です。赤字で囲まれた見せかけの料金は、auスマートバリューと、新しく追加された家族割プラスという割引が前提条件です。
→au指定の固定回線かauスマートポート(auのホームルーター)を利用している場合に適用される割引
・家族割プラス(2人加入なら−500円割引/3人加入なら−1,000円割引)
→同居が絶対条件となっており、docomoに見劣りする
この家族割プラスが曲者で、docomoの場合は3親等以内なら同居していなくても割引が適用されますが、auは同一住所であることが条件となっています。離れた家族が加入していてもカウントされませんから、割引が適用される人の範囲はより狭いでしょう。
auフラットプラン7プラス:SNSフリーで月額5,480円!
データ容量が7ギガの定額制プランです。特徴はSNSがフリーで使えるという点で、秋以降に+メッセージ・Facebook・Instagram・Twitterがデータ容量を消費せずに使えるようになるとのことです。
月間利用データが7ギガを超過しても300kbpsの通信速度で使える(他のプランは128kbps)ので、そこそこデータを利用している方には向いているプランでしょう。
auデータMAXプラン:データが無制限()で使えて月額8,980円!
日本初のデータ使い放題プランが登場!※ただし、動画配信、ストリーミングサービスなどの大量のデータ通信、または長時間接続をともなうサービスを利用した場合は通信速度を制限する可能性があるとのこと。。。
また、テザリングやデータシェア、国際ローミング通信を利用の場合は、月20ギガまでという制限があります。
新旧プランを比較してみた!得する人はほとんどいない模様…
細かい割引条件なども含めると料金プランの比較はケースバイケースと言わざるを得ませんが、それでも新旧料金を比較すると、ほとんどの人が損をするのではないかと思います。
端末代金を分離したことで、毎月割などのサポートがなくなってしまうことが痛手となります。以下の表ではiPhone XR(64GB)とiPhone 8(64GB)を含めて比較してみました↓
通話料金部分が200円の値上げて・・・それ以外については、ケースバイケースとなります。新プランであるauフラットプラン7プラスはSNSがデータフリーなことも踏まえると、それなりに評価できそうです。ただ、その他はほとんど恩恵がないですね。
まぁ同居家族が3人以上いて最小構成でスマホ使いたいとか、お得になる状況はかなり限定的だな。大体みんな損するぞ!!!
したがって、特に毎月割が適用されている場合、毎月割が適用される端末を使おうと考えている場合には、新プランはほぼ確実に損をすると言えるでしょう。
もっとも、同居家族3人以上でauを使うなら−1,000円の永年割引が適用されるというのが新プランの最大のメリットで、これがあれば月額1,980円でau回線を使えます。家族が多ければギリギリメリットはあるかもしれません。
結局、docomoと同じで、端末を変えない・データ通信を全然使わないor大量に使う・家族が多いという属性のユーザーが優遇されてるだけですね。
・毎月割(端末割)がある場合はほぼほぼ損をする
・ほとんど使わないユーザーは月額1,980円での運用も可能
・SNSで投稿しまくる、データ通信を使いまくるユーザーにはメリットも
やっぱり時代は格安SIM!今こそビッグローブを利用しよう!!
実は、どん太も使っているBIGLOBEモバイルは、使わなかったデータを翌月に繰越すことができるんです!
データ容量が同じなプランがなかったため、auとの単純な料金比較はやや難しいですが、繰り越せるなら1ギガ程度の差は十分補えると判断して、比較してみることにしました。
違約金を支払ってビッグローブモバイルに乗り換えた場合、何ヶ月で元が取れるのか計算!auの新料金よりもずっとお得ですから、ぜひ検討していただければと思います。
・BIGLOBEモバイルは3ギガ・月額1,600円
・新auピタットプランは~4ギガ・月額4,480円
→差額2,880円なので、違約金9,500円、事務手数料3,394円を払っても5ヵ月でお釣りがきます。さらに6月30日までに申し込みをすると1,200円×6ヵ月の割引&初月無料!実質7,200円の割引ですから、これによって1ヵ月半程度でペイできて、それから毎月2,880円ずつお得!
パターン2:データをそこそこ使う人
・BIGLOBEモバイルは7ギガ・月額2,150円
・auフラット7プラス・月額5,480円
→差額3,330円なので、こちらは4ヶ月でペイできます。キャンペーンを利用すると1ヶ月程度で違約金&事務手数料分がペイできて、毎月3330円がお得になります!
パターン3:複数回線契約
・BIGLOBEモバイルは複数回線割引なし
・auは同居家族2回線で500円割引、3回線以上なら1,000円割引
→3回線以上なら、auではそれぞれの回線に1,000円の割引が適用され、パターン1の比較だとBIGLOBEモバイルとの差額が1,880円になります。6月30日までのキャンペーンを利用しない場合、違約金と事務手数料をペイするまでに7ヵ月かかってしまいます。ただ、当然ですが、それ以降は3回線合計で月額5,640円もお得に!
全員auフラット7プラスなら、キャンペーン利用なしで6ヵ月弱、キャンペーン利用なら1ヵ月半程度で元が取れます。こちらは回線数×2,330円の差になりますので、家族全員がそれなりに使う場合はビッグローブがかなりお得になります!
中途半端にキャリアを使い続けるより、家族全員で格安SIMを使った方が家計には優しいことは確かです。ただ、格安SIMにも料金体系的な弱点がありますから、それについて最後にまとめておきます。
格安シムは弱点もある!大容量通信・長時間電話ならキャリアがベター?
1ギガ未満のプランを用意している格安SIM(MVNO)は多くはないですが、だいたい1,200円程度から利用できます。こちらもauの最低構成プラン2,980円の半額以下で使えます。
今回は3〜7ギガのコアユーザー向けのシミュレートして優位性を示しましたが、もちろん格安シムにも弱点があります。具体的には、20〜30ギガ以上の大容量データ通信を必要とする方や、月に10時間以上の電話をするような方には向いていないということです。
BIGLOBEの場合、20ギガで5,200円です。auはフラット20の6,000円ですから、差額は800円です。ドコモとauから回線を間借りしているために通信品質が多少劣ることを踏まえれば、auの方が良いでしょう。
また、格安SIMはイオンモバイルを除いて電話かけ放題というプランがないため、頻繁に長時間電話をかける方は、むしろ利用料金が高くなってしまう可能性が大です。
・同居家族3人以上の加入か、SNS中毒でもない限りは…
・違約金を払ってでも格安シムに乗り換えたほうが圧倒的にお得
・データ無制限プランは人柱の報告を待ってからで良さそう
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