米国株・FX攻略!ゆきママのブログ

どん太と学ぼう政治経済その5~国債と財政~

「国の借金は過去最高でやばい!財政再建しないとやばい!だから増税しないとやばい!」

一昔前に比べるとこのようなことを言う人は減りましたが、それでもいまだに絶叫する人がいるのが現実です。

どん太
そこで今回は、池上彰氏(マスコミ)や財務省の嘘に騙されないために、国債の知識を学んでいきましょう!
基礎用語
国債・・・政府が予算を組む時や、緊急で財源が必要になった時に発行するもの。いわゆる国の借金。市場では株や社債と交換できる潤滑油の役割も果たしている。
財務・・・決算書などをもとに投資計画、資金の運用を行うこと。国における財務のこと財政という。

国債の主な流れ
政府が国債を発行→市中銀行→日銀

バランスシート(貸借対照表)を知ろう!

国債の話をするときにどうしても知っておきたいのがバランスシート(貸借対照表)です。バランスシートとは資産と負債を記した表のことで、これを見れば一目で企業の財務状況が分かります。


↑貸借対照表イメージ図。画像出典https://ten-navi.com/hacks/article-202-23147

左側に「資産(現金、株、不動産など)」右側に「負債(借入金、買掛金、社債など)」右下に資本金などの「純資産」を記入します。

左右の金額が必ず一致するのでバランスシートと呼ばれているわけですね。なぜ必ず一致するのかというと、資産と負債の差額を純資産に計上するからです。

さてさて、バランスシートは企業の財務だけでなく国家の財務、いわゆる財政状況を知るのにも有効です。

むしろバランスシートがなければ財政状況を知ることなんてできません。

それにもかかわらず、日本国政府のバランスシートが作成・公開されるようになったのはほんの20年ほど前です。

現在では財務省のHPから誰でも見ることができます。というわけで、平成30年度のバランスシートを見てみましょう。

はい。ごちゃごちゃして分かりませんね。でも難しいことは考えなくて大丈夫です。政府は資産が674兆円、負債は1258兆円あり、差し引いた結果純資産はマイナス583兆円ということを表します。

一昔前にテレビがよく騒いでいた、借金1000兆円超えというのは負債総額だけを見て言っているわけです。実際には政府には資産が674兆円もあるので、資産を売却して残る純債務は583兆円です。

どん太
負債だけ見るなんてアホな話です!企業や国は効率よく投資するために借金をするのは当たり前です!

その言い方をすれば、トヨタには31兆円借金があるというようなものですから!(資産は51兆円もあります。)

統合政府で考えよう!純債務はゼロ!?

いや、583兆円も返せないならやばいじゃん!と思うのが普通だと思います。その通りです。しかし、これはあくまで日本政府単体の財政状況の話です。

通常、企業は親会社と子会社を連結させて決算書を作成します。一部分だけ見るのではなくグループ企業全体で財務状況を見るのは当たり前です。

政府も一緒です。日本国政府の実質子会社である日銀も含めて考えなければなりません。これが統合政府という概念です。

日銀のバランスシートを見てみましょう。

はい。これまたごちゃごちゃしてむかつきますね。こういう時は大きな数字を見ましょう。左側の資産の中でひときわ大きいのが国債です。なんと480兆円もあります。

日本政府にとって国債は負債(右側)に分類されていますが、日銀にとっては資産です。つまり、統合政府で考えると政府の負債480兆円は帳消しになります。

んん?でもそれじゃあ、日銀の負債は丸々残ってるやん?というわけで、日銀の右側の大きな数字に注目!

発行銀行券と預金(当座預金)がべらぼうに大きいですね。これらはどちらも「お金」です。市中銀行から国債を買う場合、これらで支払いをします。

金本位制の時代と違って、現在は金という裏付け資産以上にお金を刷ることが世界常識になっています。

もちろん無制限に刷ってしまえば過剰なインフレに見舞われますが、日本は現在でもデフレ脱却できていないのでまだまだお金を刷ることが可能です。(後述します)

日銀の負債である発行銀行券と当座預金は無利子・無償還です。無利子・無償還というのは実質的に返さなくてもいいということと一緒です。つまり、日銀の負債はほぼゼロということになります。

日本政府の純債務は583兆円でしたね。日銀の資産は570兆円近くあります。これだけで純債務はほぼないと言えるわけです。(比較時期が違うので誤差はあります。)

「資産があると言っても、固定資産(不動産など)はすぐ現金化できるもんじゃねぇ!」という財務省の言い分にまんまと乗せられている人がいますが、政府資産の半分は金融資産です。

この金融資産の中に、官僚の天下り先への出資金などが含まれているため、現金化して天下り先がなくなると困るからそのように言うわけです。

すぐ現金化しにくい固定資産についても触れておきますと、普通の企業だって現金化しにくい固定資産を資産に計上します。

工場などはすぐ売却できないかもしれませんし、一般人にとっては無価値でしょう。しかし、見る人が見たらちゃんと価値があります。

相場価格よりも値引きすれば当然欲しがる人がでてきます。ゆえに、固定資産についてもいつかは現金化できると思っていいでしょう。(何度も財政破綻しているギリシャはその度に資産を売却しています。)


↑政府の国債は有利子・有償還。利払い費や期限の決まっている国債が、無利子・無償還に置き換わるので、実質的に国債の発行自体が借金を減らす効果を持っている

いくらまで国債発行は可能?徴税権の資産価値

ここまで見てきたように、バランスシート上日本の財政状況が悪いとは言えません。バランスシートが肥大化しててまずいというのであれば、無駄な資産と予算を削ればいいだけです。

「日本の負債はGDP比で200%を超えてて世界一財政状況が悪い!いつか国債大暴落!」という決まり文句を言う人には。「国債売って大儲けすればいいのでは?」と返してあげましょう。

国や企業の破綻する確率を表すと言える「CDS(クレジットデフォルトスワップ)」という金融商品があります。日本の国債のcdsは2020年3月の時点で0.4%程度。250年に一度破綻するかもねくらいの確率です。

今のところ、市場参加者は日本の国債が暴落するなんて考えていないということです。

それではどの程度まで国債を発行できるのでしょうか?バランスシートを見てみると答えが分かるかもしれません。


↑財務省HPの連結バランスシートと日銀のバランスシートを足したもの。日銀券は実質負債ではないが、負債としてカウントしても300兆円程度の国債を発行してもバランスが取れる。

徴税権というのは、政府に入ってくる税収の権利の価値を表したものです。数量政策学者の高橋洋一先生曰く、税収の15倍~20倍の価値があるそうです。

先生の著書には徴税権750兆円と書いてありますので、税収50兆円として計算していると思われます。(平成30年度の税収は60兆円ですが、ひかえめに分かりやすく800兆にしました。)

どん太
先生は200~300兆円発行可能だと言っているので、ざっくりこんな感じで計算をしているのではないかと思います。(間違ってたらごめんなさい。)
ゆきママ
300兆もいけるなら、国債発行するんじゃなくて税金下げりゃいいだろ!社会保険料下げろや!!あと所得税も!!!
どん太
まさにその通りで、最後にコロナ禍で落ち込むGDPの埋め方について解説します!

減税と社会保険料減免で全て解決

コロナ禍でGDPは100兆円以上落ち込む見られているので、最低でも100兆円は市中にお金を回さないと経済が崩壊します。

とはいえ、闇雲に国債を発行したところで有効需要がなければ意味がありません。今から〇〇を作ろう!といっても、この状況でヒトとモノを集めるのが大変ですし、将来的なリターンが見込めなければ負債になりかねません。

そこで消費税減税です。消費税を0%に下げると1年間で30兆円の財政政策を行ったことと同じになります。2年やれば60兆円です。

さらに社会保険料の減免で15~20兆。一次補正で出た真水(返さなくていいお金)は25兆程度なので、全て足すと100兆円になります!

国債の発行自体は必ずしも悪いわけではありません。むしろ足りなければどんどんやるべきです。

しかし、正しいところにお金を投入しないと無駄にバランスシートが肥大化するだけですし、政府の権限強化に繋がります。

減税によって市民の負担を減らすことこそ、正しい競争が促され経済が活性化するのです。

ゆきママ
日銀が国債の買い入れ枠80兆を撤廃するとか発表したけど、そもそも20兆しか買ってないしなwそういうところは解説しないマスゴミよw
どん太
国債は将来世代へのツケとか言う人がいますが、国家は未来永劫続いていくものです。災害というのはいつ起こるか分からないので、むしろその被害を将来世代にも負担してもらうことこそ平等なのです。

その場その場で「運ゲー」していたら、一撃でゲームオーバーの可能性だってあるわけですから。

ゆきママ
まぁ市中で消化できなくなったらやばいから、そこはちゃんとコントロールしないとな。最新の経済学が絶対というわけじゃないし。
どん太
その通りです。しかし、緊縮財政や財政健全化を訴える人の言うとおりにしてきた結果、日本は世界との差が縮まってしまいましたよね。現実を見ると緊縮は間違っていたと考えるのが妥当です!
あるちゅう
じゃあ未来は超絶緩和でハイパーバブルがくるってことだな!?株もモノも買い漁るしかねぇ!!!
どん太
両極端はよくないですって…。
まとめと補足
・財政状況は統合政府のバランスシートで見る

・日本の財政状況は世界的に見て全然悪くない

・経済成長していれば財政状況が悪化することはない

・政府資産を売れないは天下りの為の嘘

・国や企業の借金と個人の借金を同列に考えてはいけない

・減税がベスト。足りない分は国債で。

理論的には国債をある程度国債を刷っても大丈夫だが、無駄に使われるぐらいなら刷らない方がいい(経済学者の机上の空論は、税金で私腹を肥やそうとする連中にいいように使われる)