米国株・FX攻略!ゆきママのブログ

台風とキャリーオーバーが生んだバグ?MEGA BIGに大金を投じた投資家たち!

全財産7,350万円を宝くじに注ぎ込む勇者(造船太郎氏)現る!ということで、ネット、主にXで話題となっていました。

いわゆる、「貧者の税金」とも言われる宝くじですが、どうして株クラの多くが大金を注ぎ込んだのでしょう。簡単に解説しておきたいと思います。

宝くじの期待値は法律で0.50以下!しかし、2を超えるバグ発生?

通常、宝くじ(富くじ)の期待値(1回の試行で得られる値の平均値)は、概ね0.45からギリギリ0.50となっています(0.50を超えてはいけないと法律で決まっている)。

つまり、年末ジャンボなど一般に宝くじは1枚300円の場合多いので、これで計算すると平均で300×0.45-0.50=135-150です。

というわけで、宝くじを1枚300円で買うと大体は135円から150円になって戻ってくる計算になります。とはいえ、1等から3等まで賞金分がかなり大きいですし、当選確率はメチャメチャ低いです。宝くじにもよりますが、概ね1等の当選確率は1/2,000万となっています。

ちなみに、4等から7等で計算すると、300円かけて60円ぐらいしか戻って来ません…4等ですら大体1/1万ぐらいなので、ほぼほぼ賭けた金額の10分の1になって返ってくるというのが実態で、まさに貧者の税金そのものです。

しかし、第1476回のMEGA BIGというサッカーくじは、期待値が当初2を超える(最終的に1.7ぐらいに)という、通常ではあり得ないバグが起こったのです!単純計算で、300円賭けたら510円以上戻ってくる計算です。まさに現代の錬金術。

ポイントは台風とキャリーオーバー!試合中止で当選確率256倍に

MEGA BIGとは、Jリーグの12試合の予想が全部当たれば1等当選という仕組みのサッカーくじで、1口300円で1等当選金は最大12億円と国内最高額を誇ります。

1試合(対象がリーグ戦なので延長はない)におけるゴール数を1点以下=「1」、2点=「2」、3点=「3」、4点以上=「4」として、この4択がコンピューターでランダムに選ばれ、12試合全て的中すると1等当選となります。

ポイントの1つ目が、中止となった試合は的中扱いという点ですね。今回は台風で4試合中止となったため、8試合分の的中で1等当選となりました。これは1等当選確率が通常よりも256倍(4×4×4×4)も当選確率がアップするということで、まさにボーナスゲームに!

ちなみに、1等当選の確率は通常であれば1/約1,680万分の1と低確率と低確率ですが、第1476回に限っては1/65,536とメチャクチャ確率がアップする計算です。

そして、もう1つのポイントが、キャリーオーバーです。キャリーオーバーは当選者がいなかった場合、プールされた当選金(割当金)を次回に持ち越す仕組みです。今回はこのキャリーオーバーが58億円以上も貯まっていました。

売り上げの中から運営が半分程度さし引いて、残りの半分を割当金(当選金)として配分する仕組み。キャリーオーバーがあった方が分け前が増える可能性は上がるので、これは有利ですね。

ただ、当選確率は同じなので、通常であれば極端な有利不利はない仕組みとなっています。

が、今回に限っては、①1等の当選確率が1/65,536で、②しかもキャリーオーバーがかなり貯まっていた(58億円)ため、極端に買う人が増えなければ期待値が1を大きく上回るという事態となりました。

たくさん買えば買うほど儲かることに!今後は台風とキャリーオーバーに注目

結果は1等の当選金が約2,480万円で269口出ました!当選者の方はおめでとうございます。今回2-6等は当選が大量に出たため、下限の300円となりました。

ちなみに、期待値が1を超えるということは運営が損をしたと勘違いする人もいるかもしれませんが、これまでのキャリーオーバーと今回の売り上げの半分を差し引いた分を当選金に割り当てているだけなので、絶対に運営は損しません。常に50%以上は抜かれています😢

むしろ、今回はお金を持っている人が期待値を元に大量に買って得をしたので、これまで賭けていた貧乏な人が大損する結果となりました。まさに貧者の税金…。

大数の法則(確率は収束)を踏まえれば、計算上は3億円ぐらいかければ、ざっくり99%以上の確率でプラスになるという計算。上ブレ(上位1/3ぐらいの成績)すれば、3-4億円は儲かっちゃうというあり得ないギャンブルでした。

65,536通り全て(約1,966万円分)を買えれば必ず当たるわけですが、あくまでコンピューターがランダムに選んだ数字が出てくることになるので、難しいわけです。

また、2,000万円分買って少なくとも1等が1回当たる確率は大体65%ぐらいです。冒頭の造船太郎さんのように7,000万円ぐらい買っても、5%ぐらいは1等が1つも当たらないで大損するので、やっぱり3-4億円ぐらいあると安心っていうギャンブルでしたね。大数の法則的に。

お金はお金が大好き、お金があるところに集まってくるんですね…。というわけで、今後は台風が来てJリーグの試合が中止になったら、MEGA BIGを確認するというのは頭に入れておいても良いかもしれません。

ちなみに、過去にこれ以上に期待値の高いサッカーくじがあったのですが、大量に買われすぎて期待値が1に近づいてしまい、いまいち儲からなかったようです。難しいですね。

大金を賭けるにはリスクも?数字が異常に偏ってしまう可能性も…

サッカーくじには闇もあります。これは2017年にBIGで起こったことですが、「2回に分けて買った複数のくじの数字の並びが全く同じだった」とX(旧ツイッター)投稿したことで話題となりました。

BIGは14試合の試合予想を当てるサッカーくじで、ホームチームの勝ちを「1」、ホームチームの負けを「2」、それ以外(引き分けなど)を「0」として、3択をコンピューターがランダムで選ぶというもの。

男性は合計15口分購入しましたが、最初に購入した5口と、後に購入した10口のうち5口の数字が全く同じ並びだったとのこと。天文学的な低確率なので、何らかの問題があったものと見られています。

➡︎News Up 天文学的確率?「サッカーくじの数字が一致」(NHK NEWS WEBネット)

どれぐらい低い確率かというと、以下の通りですね。

確率
1/300 ←パチンコで当たる確率
1/330,000 ←麻雀で天和を上がる確率
1/4,800,000 ←totoBIGの1等当選確率
1/6,000,000 ←LOTO6の1等当選確率
1/10,300,000 ←LOTO7の1等当選確率

1/1,000,000,000,000,000,000,000,000 ←ビッグバンが起こったり、人が壁をすり抜ける確率
1/2,500,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000 ←サッカーくじBIGで起こった確率

ちなみに、人間が壁をすり抜けたりする確率を、25メートルプールにクォーツ時計をバラバラに入れて水流で自然に組み上がっている確率とか、資材置き場がハリケーンに巻き込まれて自然にボーイング787が組み上がってる確率…などとも言われます。

それ以上にあり得ないことが起こってしまったので、雑なプログラムで運用してる可能性があり、大金を突っ込むのも躊躇われるところではあります。

興味がある方は、疑似乱数などで検索すると良いです。どうしても、プログラムでは完全な乱数は作れない(あくまで数式で出していることから)ため、こういうことが起こるらしいです。

なので、やはり大金を投じるというよりは、普段よりはお得なくじとして、気軽に楽しむ方が良さそうですね。