ポイント還元に2,500億円の予算を充てるみたいですけど、そのお金でセキュリティの強化とか、いろいろやれることはありそうなんですけどね。
でも、マイナンバー制度自体は善良な市民にとってはいい制度になりそうだから、今日はそのへんを解説していくぞ!
マイナンバー制度でできること
日本に住民票がある全ての人(外国人も含め)の持つ12桁の番号をマイナンバー、それを役所に申請して発行したプラスチックカードをマイナンバーカードと呼びますが、何に使うのか良く分かっていない人が多いと思います。
現在できることというと「身分証の代わりになる(免許証を持ってれば解決…)」「コンビニで住民票を取れる(サービス提供がまだの地域も多い…)」「ネットで確定申告に利用可能(サラリーマンだから必要ない…)」などと使える場面は限られていますが、少しずつサービスの幅は広がっています。
2021年3月から、マイナンバーカードで保険証の代わりになりますし、薬手帳や障碍者手帳の連携も始まります。できるだけマイナンバーカード1枚でこと足りるようにするということですね。
なんといっても、一回出した情報は履歴が残っている限り二回出す必要がなくなるというのが大きいです。
しばらくは従来通りの申請方法を取ることもできると思いますが、どんどん利便性が向上していく可能性が高いので、カードの発行は時間短縮に繋がります。
↑煩雑な手続きがマイナンバーカードだけでできるようになれば、役所で何時間も待つ必要がなくなる。カードをスマホに登録できるようになる予定なので、カードすら持ち歩かなくてよくなる。
一か所に情報を集中させたらやばいんじゃないの??
皆さんが一番心配している点は個人情報やプライバシーの問題だと思います。一枚のカードに集約されるということは、マイナンバーを知られたり、カードを落としたら全てを知られてしまうんじゃないかと不安に思うでしょう。
まず、ほぼ全ての人は他人のマイナンバーを知っただけでは何もできません(クレジットカードを落とす方が実害があります…)。しかし、中にはマイナンバーを使って情報にアクセスできるお仕事の人(行政職員)もいます。
そのような人が不正利用した場合、3年以下の懲役又は150万円以下の罰金、もしくは両方という重い刑罰が規定されています。もちろん、マイナンバーを管理する立場にある人(雇用主や一般事務等)が、正当な理由もなく第三者に知らせた場合も罰則があります。
それとよく誤解されているのが、個人情報の管理は各省庁で行うため、万が一ハッキングなどが行われたとしても、一度に全ての情報を抜き取られるわけではないです。
カードにはICチップが埋め込まれていますが、税や年金などのプライバシー性の高い情報は入っていませんし、紛失した場合はカードの一時停止を電話にて24時間受け付けています。また、暗証番号が設定されている上に、不正に情報を読み取ろうとするとICチップが壊れる仕組みになっているそうです。
マイナンバーは本人を特定するためのもので、本人を証明するものではない。つまり、番号だけ知られても他人になりすますことはできません。カード表面の顔写真などを使い本人確認をしっかりします。(今後は顔認証を使ってさらにセキュリティを強化する話もある)
もちろん悪用する人は出てこないとは言い切れませんが、セキュリティではそれなりに対策が練られていると言えるでしょう。
↑マイナンバー制度は情報を一か所に集めて管理しているわけではない。
困るのは犯罪者だけ?マイナンバー制度の狙い
マイナンバー制度により煩わしい手続きが簡略化されるのは嬉しいことですが、それ以上に大きなメリットがあります。生活保護の不正受給、脱税などの犯罪を容易に取り締まれるようになることです。
今までは各自治体ごとにデータを管理していたため、複数の自治体から生活保護の不正受給していたケースなどがありました。それがマイナンバーによって情報がリンクされるため、そんなことはまず不可能になります。
また、雇用主は従業員のマイナンバーを届け出る義務があるため、雇用主、従業員共に脱税してもすぐばれます。
さらに、銀行口座との紐付けによって資産隠しが難しくなり、この点でも不正受給や脱税防止に繋がることになるでしょう。
つまり、やましいことなく普通に暮らしている人にとってはメリットしかありません。マイナンバーカードの本質は、お金の動きの透明化にもあると言えます。
不正そのものがしにくくなり、取り締まりやすくもなる。無駄を減らし、予算(税金)が正しい方向に使われることによって、市民の生活は便利で豊かになります。
それでも不信感が根強いのは、住基ネットの失敗や国の個人情報管理に対するものだろうな。
国に対する不信感は理解できます。利権の話も出てきてうんざりです。でも、やった方がトータルすると良さそうなので普及してほしいです。
刑務所では12桁の囚人番号をつけてやれ!
マイナンバー関連のまとめと補足
・情報は一元管理ではなく分割管理されている
・悪用すると一発で重い罰則が規定されている
・仮にマイナンバーがばれてもさほど問題がない(本人確認が必要なので)
・人災が減りコストカットに繋がる(余った人を他に回せる)
・困るのは悪い人たち
カードの申請はネット、スマホ、郵送などから行い、送られてきた郵便物を持って役所で交付の流れになります。約一か月かかるし、なんとなく面倒だという気持ちも分かります。
しかしこれまで見てきたように、少なくとも今のところマイナンバー制度はメリットの方が圧倒的に大きいように思います。しかし、現在は社会保障、税、災害対策の分野に限っての利用ということになっていますが、今後無駄に用途が広がったら要注意です。
今回検討されているポイント還元は「税」の部分にあたりますので、マイナンバー利用の大義にはなっていますが、ポイント還元という流行りに乗っかっただけの気がしてなりません。ポイント還元ではなく、安全で便利だということを周知する方が先です。
いずれ抜け道や問題も出てくるでしょうが、完璧な制度はありえませんし、不正とのいたちごっこも終わりはありません。それでも、現時点の情報を比較すると今までの制度より確実にマシです。
不安を煽る声が大きいですが、なぜマイナンバー制度が必要なのかということや、セキュリティの実態を知った上で利用していただけたらなと思います。