日経平均が34年ぶりの株高、バブル後最高値！1ドル＝150円で1990年以来の円安水準！などなど、新NISAがスタートしたこともあり、世間はすっかり投資モードですね。そこで今日は初心者向けQ&Aとして、読者の方から寄せられた疑問・質問について解説していきますので、よろしくお願いします。
なるべく早めにスタートしよう！新NISA制度のQ&A
まずはおさらいから！新NISA制度は今年2024年1月1日から始まった制度で、NISA口座における株式や投資信託の配当金や分配金、値上がりで得られた売却益が非課税になります。投資で得られた利益は通常20.315%の税金がかかりますが、これがゼロになるので大きいですよね。通常だと100万円の利益が出たら、20万円も国に持ってかれるわけですから。
（2）つみたて枠が年間120万・最大600万、成長枠が年間240万・最大1,200万に拡大
（3）制度が恒久化され、非課税保有期間が無期限に
（4）年間投資枠の制限はあるが、売却後に翌年から投資枠が復活していく
ただ、成長枠は米国個別株など、投資できる商品の選択肢が広いのが特徴。年間の枠も240万円と大きいので、短期で大きく上がりそうな商品に投資して売買する使い方もできますね。ガチホ（長期保有）だけでなく、数週間、数ヶ月といった保有期間でのトレードにも十分利用可能です。
Q.日経平均がバブル超え、米国株も高い水準ですが、今すぐ投資すべきですか？
A.今すぐやれぇ！
株価が高すぎるので、投資しようかどうか迷っている、もう少し待って安い時期に投資するべきではないでしょうか？といった質問が多く寄せられています。
結論から言ってしまうと、NISAはなるべく早く始めたほうが有利となっています。インフルエンサーが大好きな“ジャックとジルの話”というのがあります。
この投資における有名な寓話は、10年早く少額で投資を始めてほったらかしをしたジャックの方が、10年後に数倍の資金を投じたジルよりもリターンが大きい、という内容になっています。下記の記事でも解説しています↓
→高配当銘柄はNISA枠の無駄使い？複利効果を最大限に狙う銘柄3選はこれ！
要は、複利効果（運用で得た利益を元本にプラスして再投資して、利益が利益を生んでいく）のエグさをわかりやすく説明しているのですが、これは現実にも当てはまります。
過去30年の米国の主要株価指数において、1年以上遅れて投資した場合に1年先に投資したリターンを上回るポイントはなかった（5年以上保有した場合）との試算があります。
つまり、米国の主要指数を買って5年以上保有するなら、どこで買ったとしても1年早く始めた人のリターンが必ず上。他の人より1年以上長く持っているなら、リターンは必ず上回るということです。
まぁここ最近の株価が超右肩上がりという影響もあるでしょうが、長く持つ前提であれば、いつ買ってもタイミングはそこまで重要ではないということいなります。なので、確かに今の相場は高いですが、すぐに始めても問題ありません。
もちろん、暴落したタイミングで少し多めに投資する、という戦略は有効でしょう。リーマン・ショックやコロナ・ショックは未曾有の買い場であり、資産を多く増やした人が多いですからね。つみたてと貯金をコツコツやりつつ、暴落があった時に緊急出動というのは良い戦略でしょう。
Q.つみたてよりも一括が有利と聞きました、一括投資すべきでしょうか？
A.一括の方が若干リターンは良いが無理なくやるのが一番！
同じ金額で投資する場合、年初に一括で投資するのと、毎月コツコツ積み立てるのは、どちらが有利かという質問も多いです。まぁこれも結論が出ていて、過去30年ぐらいで見ると年初に一括投資の方が若干リターンは良いです。S&P500で年初一括の方が3%ぐらい上回ります。
これも結局、複利効果ですね。どこで買うかより、1日でも早く始めたほうがリターンが良いという話です。特にここ最近は上昇が凄まじいので、過去のどのポイントで買うかというよりも、早くやって複利効果を得た方が良いっていう結論になっちゃってます。
なので、結論としては年初に一括で全力にはなりますが、その辺は好みもありますし、そもそもお金が必要になった時に取り崩したら全く意味ないですからね。お金が有り余ってるなら別として、まずは無理なく毎月一定金額積み立てていくのが無難です。
あとは、一括で投資した直後に暴落したりすると、精神衛生上良くないというか。やはり庶民は毎月決まった金額、余った額をコツコツ積み立てていくのが大きな含み損を抱えるリスクも減らせてベターかなと。
ちなみに、通常だとNISAのつみたて枠の設定は毎月10万円が上限になっていますが、毎月100円に設定して、ボーナス月を1月にして1,198,800円にすると、事実上1月に一括120万円の投資が可能になります。ちょっとした裏技ですが、お金が余っててやりたい人はどうぞw
Q.特定口座で保有している株を売って、NISA口座で買い直すべきでしょうか？
A.他に買いたい株がないなら早めにNISA口座で買い直し！
特定口座で保有している株を、そのままNISA口座に移動することはできません。1回売ってから、改めてNISA口座で買い直すという必要があります。そして、特定口座などで持ってる株をどうしたら良いか、といった質問も多く寄せられます。
結論から言ってしまうと、値上がりを期待するのであれば1日でも早くNISA口座で買い直した方が良いです。ただし、含み損を抱えている場合は、損失金額の繰越控除を行うことで翌年の特定口座の利益と通算して支払う税金を減らすこともできるため、ケースバイケースのこともあります。
NISA口座って非課税なので、繰越控除（損失を最長3年間にわたって利益と通算できる制度）とか、損益通算（複数の株取引で得た損益を合算すること）という概念がないんですよね。特定口座とNISA口座で損益通算とかもないですから。
原理原則から言えば、利益が出ているならさっさと売ってNISA口座で買い直しで1日でも早く非課税のメリットを利用したい。含み損の場合でも、NISAの枠・年間360万円（つみたて枠・年間120万円/成長枠・年間240万円）を完全に埋めて、さらに特定口座で投資するというパターンでもない限り、やはりNISA口座で持ってた方が良いですね。
まぁ保有している株や状況、その後の値動きによっても最適解が異なることはあり得ますが、あまり悩み過ぎて非課税のNISA枠を利用しないなんてことがあったら本当にもったいない。年内にNISA口座で別に買いたい株があるとか、さらに買える資金的余裕がある、という人でもなければNISA口座で買い直して良いと思います。
また、余談ではありますが、旧NISA口座と新NISA口座は別の扱いなので、旧NISA口座で持っているものは、そのまま非課税期間が終了するまで保有していて問題ありません。あえて新口座で買い直すと、枠が無駄になってしまいますから、旧口座は旧口座で非課税枠をフル活用することを意識しましょう！
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