カオス！トリプル安相場も…

不透明感が増しているような気はしますが、マーケットはリスクオン（選好）で反応。トランプ関税に違法判決が出たことで株高・ドル高となりました。

✅米国国際貿易裁判所が『相互関税』に違法判決
・議会委任を超えた越権＋“非常事態”根拠なし
・10日以内に関税停止を命令
・今後は歳入の見込みが崩れる
→減税法案どうなる？債務上限問題にも波及リスク
・政権はとりあえず控訴へ

今後はトランプがどう出るかによりますが、少なくとも今よりも関税が引き上がることはないだろうとの見方もありそう。とにかく、短期的にはトランプの出方次第でどうにでもなる相場ですね。

あとは、もう少し先の話になりますが、関税が違法で歳入が減るということになると、8月中と見られた債務上限問題が前倒しになる可能性があります。

今後もかなりのゴタゴタが想定されるだけに、一定レベル以上の警戒はしておきたいところでしょう。したがって、すでにポジションを持っているならチャンスをじっくり待つこと。無理に買うような相場でないことは確かですからね。

というか、今は株価が堅調だから良いですが、株価が下げたらトリプル安ショック再び（すでに為替は反転してドル安気味、米債券価格は低下・米金利は上昇）という状況ですからね。

それでは、短期的な見通しと今後のトレード戦略について解説していきますので、よろしくお願いします。

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株価はレンジ抜けならもう一段も

上がればショートカバー（売りの買い戻し）が自動的に出てきそうな相場ですね。S&P500が6,000ポイントを超えてくると、売りポジションが買い戻されてもう一段があると思います。
なので、短期的にはもう一段ぐらいの上昇は期待しても良いですが、さらに上がっていくには、やはり寄与度の大きいM7（マグニフィセント・セブン）が完全復活を遂げ、株価が上昇していく必要があります。

チャートを見れば分かるように、寄与度の最も大きいアップル（AAPL）が完全に沈んでいますからね。ここが復活してこないようでは、指数の完全復活も遠いといったところでしょうか。

ちなみにエヌビディア（NVDA）の決算は良かったですが、継続的な上昇トレンドを刻んでいけるかどうかは、なお未知数のように思います。

◼️note記事→エヌビディア(NVDA)決算速報/株価急騰で140ドル台回復！AI需要を再確認、今後の投資戦略を徹底解説

noteで解説した通り、もともとボラの高い銘柄ですから、暴落した時にしっかり追加していけば十分でしょう。

短期的には140ドルのレンジ抜けでショートカバーの買い戻し、さらに150ドルでもう一段となるでしょうが、流石に高値を更新してさらに買われるのが正当化される決算だったか、相場状況かというと、そうではないように思います。

冒頭でも書いたように、関税をめぐる問題はより混沌としてきているというか、完全に未知数ですからね。そこに債務上限問題や、今後は景気後退を意識させる経済指標も出てくるでしょう。

FRBは利下げしたくても関税がクリアになるまではできない…さらに中東リスクなども控えていますので、繰り返しになりますが、あえて高値で突っ込んでいくことが正当化されるような状況ではないでしょう。

待機資金は多め！下がれば買いで

一方、米国のMMF（マネー・マーケット・ファンド）が保有する資産の合計を見ると、かなりの高水準となっています。これがいわゆる待機資金と言われるものですね。
※MMFは超短期のコマーシャルペーパー（無担保の約束手形）、レポ取引、現金等で運用されており、『いつでも引き出せる現金同等物』として機関投資家をはじめ幅広い投資家に利用されています。

これが4月の暴落のタイミングから、ジワジワと積み上がっています。株価の急反発を受けて利益確定した投資家や、そもそも乗り遅れている投資家も多くいることから、下がれば押し目買いは入りやすいと言えるでしょう。

というわけで、底堅い相場が形成されやすいと言えます。もし急落、あるいはダラ下がりという相場になれば、特に新規勢はあまり怖がりすぎることなく買うことも重要です。

結論としては、あえて上がった日に高値で突っ込んでいくような相場ではないですが、中長期的な資産形成を考えるなら、下がった時は迷わずに買うこと。

特にポジションを持ってない新規勢は、急落しても怖がりすぎずにコツコツ追加していくことが重要です。

あとは、不透明感を意識するなら引き続きゴールドですね。マーケットが極端にリスクオンに傾いて金価格が下がった場合は買っていくと良いと思います。3,000-3,150ドルレベルは買っていきたい水準です。

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為替はリズムの変化に注意！

日本の財務省が超長期国債の発行額を見直すということで、暴れていた日本の金利急騰は一旦落ち着き、金利高からの円買い傾斜は一巡しました。

一方、今日は関税違法でドル買い戻しの流れとなりましたが、状況的には不確実性が増したとの見方や、関税違法からの歳入減で米国の財政悪化が再度意識されて、債券安からの米ドル安の流れとなっています。

いずれにせよドル安というか、ドルが持続的に買われるという状況にはならないとの見方が根底にありそうで、ドル独歩高のような期待は避けた方は無難でしょう。

となると、クロス円についてはドル安だと円高になりますが、対ユーロなどは強くなるため、クロス円は下がりにくいという話に。

したがって、リスクオンの円売り復活という値動きにかけるのであれば、クロス円をロング（買い）していく方がトレードとしては良さそうですね。

ただ、目先の不透明感を考えると、そうそうリスクオン想定でのトレードは難しいので、短期は相変わらず悩ましさを残している点には注意です。

ドル円：ドル安意識で戻り売りか

ドル円の値動きを見ると、円買いによる下値模索の動きは一旦終了といった感じでしょうか。今後はドル次第ということになりそう。
トランプ大統領が関税をコントロールして落ち着いた雰囲気が続くのであれば、基本的には押し目買い。145.00円割れぐらいから、レジサポなる144.00円ぐらいまでは買ってみても良いでしょう。

ただ、結局のところ、これまでも不安定だったトランプがマーケットを落ち着かせられるかというとそうではないため、高値圏では戻り売りがワークしそうです。

トランプの対応が不透明な状況で、意味もなくドル買い戻しや円売りで上がってきた場合は、145円台半ばから上では売れるでしょう。ただし、損切りは浅めで、今日の高値の146.30円で一旦損切りでしょう。

とにかく、不安定な相場は予想されるため、損切りはしっかり入れておくことが重要かと思います。

ユーロドル：急落したら買いが基本

ユーロドルは、やはり1.110ドルの節目や1.115ドルを背に押し目買いで良さそうですね。

一方で、1.13ドル台から上、特に1.14ドルはレンジ上限となっていますので、ここから上は明確なユーロ買い材料、欧州の強い経済指標が出るといったことでもない限りは、難しそうです。

もちろん、1.140ドルを抜けていくようなドル安、あるいはユーロ高材料が出てくれば上値余地が広がることになります。

ポンド円：高値抜けチャレンジも？

ポンドはBOE（英中銀）が『インフレ高止まり→利下げ見送り』を示唆したことで堅調になっています。
ポンド円は今週の円安トレンドと相まって上昇基調です。円売りも重なり196.00円を試していく流れにはあります。

ただし、195-196円レベルの天井圏には近いため、押し目買いは195円割れぐらいから194円台前半にかけてが目安でしょう。

この場合、流石に193円を割り込んでいく流れになると深めの調整になりそうなので、その場合は一旦損切りです。

流石に下がり切らんか。一旦利食い。ヘッドラインのニュースで状況がいきなり変わってくるし、損切り、利食いも浅めで対応するしかない。 pic.twitter.com/HOOGgwSq01

— ゆきママ (@yukimamax) May 29, 2025

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