【12月第1週】『機械的な売り』は終了？FRBの隠れ緩和とエヌビディア買い場到来で狙う『年末ラリー』
約13分
月初めは『リスク回避（守り）』の空気がやや強めといった雰囲気です。
とはいえ、これは『上昇トレンドが終わった』ことを意味するわけではありません。『本格的な上昇を再開する前に、一度態勢を整えている』と捉えるのが自然です。
この記事では、その理由をわかりやすく解説しつつ、具体的な値動きのポイントなどを解説していきます。
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『機械的な売り』のピークは一旦通過
11月後半に相場が重かった主な原因は、AIやプログラムによる『機械的な売り注文』でした。これらは相場の変動に合わせて自動的にポジションを調整（掃除）するものですが、その大きな売り圧力はすでに峠を越えています。
つまり、上値を抑えつけていた重石（おもし）が軽くなり、12月はニュースや企業の業績といった『本来の材料』に素直に反応しやすい環境に戻りつつあります。
上記はBofA Global Researchの推計に基づき、『主要なシステマティック（ルールベース）運用ファンドが、世界株を金額換算でどれくらい買い持ち（ロング）しているか』を示したものです。直近でグラフがガクッと落ち込んでいる箇所（赤丸）は、『機械的なリスク落とし（デレバレッジ）』が発生した可能性を示しています。
すかさず買い戻されていることもあり、今週もボラ（変動）が高いと、再びポジションを落とす可能性もありますが、それでも買いポジションが減り（売る玉も減る）先々週以上の下落にはなりにくく、押し目を拾っていけば良いという話になります。
最大の好材料はFRBの『実質緩和』
ここが一番のポイントです。12月1日から、FRB（米連邦準備制度理事会）はこれまで行っていた『市場から余分なお金を回収する政策（QT）』のペースを緩めます（ランオフ停止）。これまで市場にとって『向かい風』だった資金の流れが、少なくとも『中立』に変わります。しかも、来週12/9-10のFOMC（米連邦公開市場委員会）では、利下げも期待されています。
なぜ今日（12/1）は下がっているのか？
「環境は良くなっているはずなのに、なぜ株価は下がっているの？」と思うかもしれませんが、理由は大きく2つあります。理由①：海外（特に日本）からの警戒感
『日銀が12月にも利上げをするのではないか？』という観測が強まっています。日本の金利が上がると、安い円を借りて投資していた海外勢がお金を引き揚げる動き（キャリートレードの巻き戻し）が出やすくなり、これが米国株にも一時的な売り圧力となっています。
理由②重要なイベント待ち
今週は、米国の景気やインフレを占う重要指標（ISM製造業景況感指数、雇用統計、PCEデフレーターなど）の発表が目白押しです。『来週、利下げは本当に行われるのか？』を確認したい投資家たちが、結果を見るまでは慎重になっていることも影響しているでしょう。
今週のメインシナリオ
これらを踏まえた今週の見通しは、『大きく崩れることはなく、チャンスがあれば上値を狙う』という展開です。
🔸上値のメド：ナスダック総合指数の場合、チャート分析上の『壁（レジスタンス）』となっている23,700ポイント近辺が目標です。ここをスムーズに超えられるかが最初の試金石です。🔸下値のメド：FRBの政策変更（資金回収の停止）により、11月のような深い下落は想定しにくいです。もし下がっても、そこは買い戻しが入りやすいでしょう。
上がるか下がるかの『引き金（トリガー）』
今週はニュース次第で相場が動きます。📈上振れシナリオ（強気）
経済指標が『ほどよい強さ（インフレ沈静化）』を示し、相場が落ち着いていけば『金利低下→株高』の流れになりやすいでしょう。年末の『サンタクロース・ラリー』に向けた準備が整うことを意識したいところ。📉下振れシナリオ（弱気）
逆に、指標が強すぎて『インフレが止まっていない』となったり、来週のFOMCで利下げが難しくなった場合、失望売りが出る可能性があります。また、特に暗号資産市場などが荒れると、連鎖的に株も売られるリスクがあるため注意が必要です。
加えて、AI関連銘柄も『全部買い』ではなくなっています。特にサテライト銘柄、資金の薄い中小型銘柄は上値が重たい傾向があるので、買いすぎないようにしましょう。
買うのであれば、今はエヌビディア（NVDA）やブロードコム（AVGO）、アルファベット（GOOGL）などのコア銘柄を押し目でしっかり拾っていくことでしょう。
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— ゆきママ (@yukimamax) December 1, 2025
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まとめ：反発が本物か見極める週
12月1日の下落は、『ちょっと曇っている』程度の話で、相場が壊れたサインではありません。11月の厳しい調整期間を経て、機械的な売り圧力はかなり減っています。今週やるべきことは、以下の3点を確認することです。
❶日本の金利上昇懸念がどこまで影響するか。
❷重要指標などで利下げ期待が保たれるか。
❸チャートの節目（ナスダック23,700pt付近）での攻防。
これらを無事に通過できれば、過去最高値更新も視野に入ってきます。一番厳しい期間は終わった可能性が高いです。あとは、この反発が本物かどうかを今週のデータやFOMCの結果から、確認していきましょう。
最後に：最高のタイミングを『指をくわえて』見逃さないために
今回の記事で解説した通り、11月の重苦しい『機械的な売り』はピークを越え、相場は年末の上昇（サンタクロース・ラリー）に向けた準備を始めています。ここからが本当の勝負ですが、投資の世界で一番もったいないのは、『絶好の買い場が来たのに、口座の準備ができていなくて買えなかった』というパターンです。
特にエヌビディアやグーグルなどの人気銘柄は、動き出すと一瞬です。『上がってから』慌てて口座開設を申し込んでも、審査や入金待ちで数日かかり、その間に株価は行ってしまいます。
『相場が少し慎重になっている今』こそが、静かに準備を整える最短のルートです。
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