遠くの戦争は買い！なのですが、どちらかというと短期的には昨夜（11日）の米5月消費者物価指数（CPI）の下振れを受け、再び景気減速懸念が意識され始めています。

何を当たり前のことを…と言いたくなりますが、それが相場です。昨日のCPIを見ると、食料品・衣服・航空運賃・家賃が減速する一方で、輸入品目は価格上昇という結果に。

関税ノイズさえ除けばデフレであり、そして航空業界の苦戦を見れば、普通に景気減速だよねという話に。これは、6月4日に書いた記事でも解説した通りです。

◼️参考記事→【最強米国株】S&P500は6,000Ptへ？ADP/ISM減速・インフレ下のリスクシナリオとトレード戦略解説/6月5日

したがって、今後注目されるのはスムーズに利下げ軌道が示されるかどうかですね。トランプ大統領は1％利下げしろと絶叫していますが、パウエルFRB議長がそれに応じるかといったところ。

ただ、応じるといってもパウエル議長は慎重に利下げを織り込ませる可能性が高いでしょう。関税ノイズで変にインフレが高まって、いきなり利下げキャンセルみたいなことはしたくないですしね。

また、トランプが求めるように急に、しかも大幅な利下げとなると、逆にマーケットは動揺します。「そんなに利下げを急ぐ、大幅に金利を下げるってことは、それだけ米経済はヤバいのか？」という認識ですね。

というわけで、市場の期待とのギャップで、今後の株価は少しギクシャクするかもしれません。とは言っても、利下げならいよいよ金融相場が始まるわけで、下がれば買うだけですけどね。

イスラエルはイラン攻撃秒読みか？

イスラエルはやる気満々ですね。トランプ大統領はどう止めるのか？トランプ外交の手腕が試されようとしています。

すでにイスラエルはイランへの攻撃準備を完了しているとされ、あとはいつでも攻撃できる体制に。これがイラン周辺のイラクなどから、米国大使館員、米国市民を退避した理由であると、CBSニュースのホワイトハウス上級担当記者は伝えています。

結局のところ、イランの態度が強硬なので、外交上は手詰まりなのでしょう。イスラエルや米国の態度は、ある意味でイランへのプレッシャーにはなり得ます。

これでイランの姿勢が多少なりとも変われば、攻撃が回避される可能性はありますが…。

一応、6月15日にスティーブ・ウィトコフ米特使はイランと6回目の交渉を行う予定とのことですが、一触即発な状況は変わりないですから、いつでもイスラエルの攻撃はあり得ると考えていた方が良いでしょう。
短期トレード的には、2-3％下がってS&P500が5,800ポイント台まで下げてくるなら、普通に買いですね。イスラエルが攻撃した程度では、通常の押し目でしょう。5,700ポイントの窓は埋めないように思います。

中長期での資産形成を目的としている場合は、ポジション量にもよりますね。すでに7割ぐらい持っているのであれば、5,700ポイントを割り込んでからが本番。

逆にまだ3割ぐらいしか買ってませんという方は、5,800ポイント台まで下げたら、指数はもちろん、個別銘柄も含めて少し物色して追加しておくと良いでしょう。

いずれにせよ、戦争が開始されると不透明リスクで瞬間的には売られますが、米国が参戦するということにでもならない限り、極端な下げにつながることはありませんから、良い押し目がきたぐらいで認識しておきましょう。

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有事の為替トレード戦略は？

為替はドル安が顕著になってきました。昨夜のCPI以降、買われていたドルが売られています。一方で、円買いの動きは冴えず、値動きは限定的となっています。
ドルインデックス（主要通貨に対するドルの強さを指数化したもの）は、今年4月の水準まで低下しつつあります。しかし、ドル円はいまだに1ドル＝144円前後ですからね。

4月は140.00円をわずかに割り込む水準まで円高が進行しましたが、明らかに円が変われなくなってきています。

◼️参考記事→なぜ日銀は利上げしても円安？円キャリートレード再開のチャンス！今後の見通しとスワップポイント投資/PR

上記の記事でも解説した通り、やはり植田日銀総裁の慎重姿勢や、財務省が金利を上げたくないという意向が強く、日本は金利を上げられない＝円を買う理由がない、という流れになっているのでしょう。
利下げが明確かする夏ぐらいまでにかけて、少し長い目で見ればドル安になっていくかもしれませんが、ドル円（クロス円）はそこまで極端に下げない可能性があります。

一方、短期的には戦争が起これば円買いには動きがちですし、同時に安全資産のドル買い、スイスフラン買いになるため、ポンド円などのクロス円は暴落に警戒したいところでしょう。

ただし、戦争によるリスクオフの動きは一巡すれば全戻しになりがちなので、戻りを意識したトレードも検討しておきましょう。

また、ドル円も今のドル安と円買いで大きく下がる、140-142円レベルまで落ちてくるのであれば、長期目線で少しだけスワップポジションなどを構築しても良さそうです。私もやる予定です！

したがって、短期トレードのヒントとしては、戦争開始でのドル高・円高を見込むのであれば、ポンド円などをショート（売り）で入っても良いでしょう。ただ、戦争がなければ真逆の値動きになるので、ここは気をつけたいですが。

とりあえず、イスラエルがイランを攻撃したという一報が入ったタイミングで、大きく崩れた通貨ペアを短期でショートで入って、稼いでいくというのが良さそうですね。あとは、一巡後の戻りを取っていくイメージです。

🔹短期トレード
・CPIの下振れでドル安、リスクオフでやや円高
・戦争開始なら、瞬間的にドル高・円高・スイスフラン高
→クロス円（ポンド円など）のショートを狙う
・戦争ネタが一巡したら全戻し
→クロス円（ポンド円など）のロングを狙う

🔹中長期トレード
・ドル円が大きく下がったら、スワップポジション（ロング）を少し作る

こんなところでしょうか。とにかく、為替に関しては情報次第でごく短期のトレードとなる場合も多いので、そこは気をつけていきましょう。

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