『短期楽観は継続』先週の株式市場、特に米国市場は半導体セクターが牽引し、力強い上昇を見せました。市場は一気に楽観ムードに包まれていますが、この上昇は本物なのでしょうか？

「この上昇相場に今から乗っても大丈夫？」「高値掴みにならないか心配…」「絶好調の日本株は、どこまで上がる？」

そんな投資家の皆様の疑問に答えるべく、この記事では米国株高の背景から、日本株の今後のシナリオ、そして為替・FXの具体的なトレード戦略まで、最新データを基に徹底解説します。

ちなみに、私の現在のスタンスは『短期的な楽観相場にはついていくが、深追いはせず、ポジションは慎重に調整する』というものです。先週はパランティアを10％利食いし、今週は状況次第でさらにポジションを5％程度減らす予定です。

それでは、今週の展望を詳しく見ていきましょう。

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【米国株】史上最高値更新、2つの理由

米国株式市場が力強い上昇を見せている背景には、大きく2つの理由があります。

◆理由1：FRB（米連邦準備制度理事会）の利下げ期待の再燃
これまで金融引き締めに積極的（タカ派）と見られていたボウマンFRB副議長までもが7月の利下げに言及したことで、市場の雰囲気が一変しました。

市場では「よほどのことがない限り9月の利下げは確実で、7月に前倒しされる可能性すらある」との見方が広がっています。
ご覧のように金利先物市場では、年内に3回以上の利下げが行われる確率を約56.4％も織り込んでいます。さらに、トランプ大統領が次期FRB議長に「利下げに積極的な人物を選ぶ」と公言したことも、この期待を後押ししています。

◆理由2：FOMO（取り残される恐怖）の発生
FOMOとは"Fear of Missing Out"の略で、「この上昇相場に乗り遅れてはいけない！」という投資家の焦りの心理を指します。

5月以降、大きな調整がないまま史上最高値を更新したことで、様子見していた投資家が慌てて買いに走る、いわゆる“イナゴタワー”のような状況が生まれやすくなっています。
短期的には、多少の悪材料は無視され、この楽観ムードに乗りじわじわと上昇が続く『チキンレース』の様相を呈するでしょう。

セクター的な偏りも強そうなので、勝ち組AI・半導体をしっかり握りつつも、決算リスクが高くボラ（変動）の大きい銘柄などは少しずつ利食いして、キャッシュポジションを厚くしていくという戦略に変わりはありません。

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【日本株】"4万円の壁"は過去の話？

今の相場、実は米国株より日本株の方が強いと見ています。約1年半もの間、高値更新できずにいたことを考えれば、現在の株価水準に割高感はほとんどありません。

ドル円は円高方向に進んだためドル建てで見ると割高ですが、ユーロ建てで見れば円は依然として最安値圏にあり、少なくとも欧州の投資家から見れば日本株はまだまだ割安に映ることでしょう。

✅日本株が強い理由
・堅調な米国株との連動
・企業による積極的な自社株買い
・3％台の経済には程よいインフレ
・日銀が金利の急上昇を抑制する姿勢を見せ、事実上の利上げ停止観測が浮上

ここで重要なのが、私たち日本人投資家と海外投資家の視点の違いです。

日本人は「日経平均4万円台は高い」と考え、つい売りたくなります。しかし、海外勢は株価水準よりもトレンドを重視します。

海外勢が「日本の悪材料は出尽くし、本格的な上昇トレンドに入った」と判断すれば、私たちの想像を超える買いが入る可能性があります。過去の急騰相場も、多くが海外勢主導でした。

一方で、来週（7月2週目）はETF（上場投資信託）による分配金捻出のための換金売りがありますし、7月9日は相互関税の猶予期間など、相場を急落させかねないイベントもあるため、短期のデイトレは跳ねたら一旦利食いを意識したいですね。
チャート形状は、明確に41,000円を目指す形です。短期的なトレードであれば、日経平均が40,000円を割り込まない限りは買いポジションを維持し、上昇についていくのが良いでしょう。安易な空売りは禁物です。

つまり、TOPIXを空売りしている岐阜さん（@gihuboy）の運命は…😭

日経平均４万円台回復、起点は岐阜さんのこのポストでは、と。岐阜さんが日本株CFDを売ったと同時に、強烈な上昇トレンドが発生……。 https://t.co/Hfr98JEs4m pic.twitter.com/xZqStLkSYA

— 高城泰｜FXコレクティブ (@takagifx) June 27, 2025

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【為替・FX】今週狙うべき通貨ペア

先週は利下げ期待からドル安が進みましたが、すでに大幅な利下げが織り込み済みのため、ここからさらにドルが下がるには、よほど弱い経済指標が必要になります。

今週末に発表される米雇用統計が、今後の方向性を占う上で極めて重要なイベントとなるでしょう。

一方で、利下げを実行すればインフレが再燃し、それが巡り巡って米国の長期金利を押し上げる（＝ドル高要因）という複雑なシナリオも考えられます。

ドル円の戦略：143円台でスワップポジション

ドル安要因と円安要因が綱引きする中で、ドル円は方向感の定まらない、神経質な展開が続きそうです。明確なトレード戦略は立てにくいため、143円台まで下落してきたら、スワップ目的で少し買ってみる程度に留めるのが賢明かもしれません。

◼️関連記事→【2025年最新】FXスワップポイント投資の始め方｜初心者向けにやり方からおすすめ口座まで徹底解説

今週の注目通貨ペア：ポンド円

値動きが読みづらいドル円を避け、今狙うのであればポンド円でしょう。

理由は明確で、『金融緩和を続けたい日本（円安）』と『高金利を維持する英国（ポンド高）』という、金融政策の方向性の違いがはっきりしているからです。すでに200円の大台が視野に入っており、上昇トレンドは継続中と見ています。
現在、ポンド円は200円という大きな節目を前に、昨年10月から3度目となる199円台の重要なレジスタンス（上値抵抗線）に挑んでいます。ここを抜ければ青天井、失敗すれば一時的な下落も考えられる重要な局面です。

上値は199.00–199.30円（昨年10月の高値圏、心理的な節目）が目先のポイント。さらにこの上の200.00-201.00円レベルをブレイクすれば、損切り（ロスカット）を巻き込んで急騰しやすいと言えます。

サポート（下値支持）としては、まずは196.50円レベルがあります。直近の安値圏でもあり、21日移動平均線（195.885円）も近い水準です。

とりあえず、199.30円を超えたら200.00円ブレイク期待で少し買ってみるか、押し目を狙うなら197円台から少しずつといった感じでしょうか。いずれにせよ、195.90円割れなら一旦損切り撤退で。

まとめ：今週の投資スタンスと心構え

市場は今、『利下げ期待』と『乗り遅れる恐怖』を燃料に、理屈よりもムードが優先される楽観相場で走り始めました。

この流れは、もうしばらく続く可能性が高いですが、一方でこのような相場は小さな悪材料にも過剰に反応しやすい傾向にあります。

『短期は上昇の波に乗りつつも、新たなリスクを取ることは慎重に』というスタンスが良いと思います。

ポジション管理を徹底し、デイトレ単位では買いつつも深追いはしない。この記事で解説した視点や戦略を参考に、重要指標やニュースを冷静に見極めながら、賢く市場と付き合っていただければと思います。

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