【警告】S&P500はまだ買うな?年末年始の『絶好の買い場』と『致命的なリスク』について

【警告】S&P500はまだ買うな?年末年始の『絶好の買い場』と『致命的なリスク』について
今週はいよいよ年末相場の入り口ですが、マーケットはここ数年続いた『日米金利のねじれ』が解消へ向かいつつあることを受け、どう動いていくかが注目されます。

とはいえ、米国が利下げサイクルに入り、日本が利上げを進めるという新しいフェーズに入っても、目下の焦点は『ファンダメンタルズ(景気・業績)はまずまず良好だが、お値段(バリュエーション)がお高め』というジレンマをどうこなすか、といったところでしょうか。

この記事では、年末相場の展望と年始に向けての日米株、そしてドル円相場について簡単に解説しておきますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います。

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市場の現在地:強気材料と織り込み

今のマーケットの基本構図は『利下げ=追い風』がある一方、『高バリュエーション=揺れやすい』の綱引きとなっています。

🇺🇸米国の状況:FOMC(連邦公開市場委員会)は12月10日、FF金利誘導目標を3.50〜3.75%へ0.25%引き下げました。これは株式にとって明確な好材料と言えます。

⚠️警戒ポイント:一方で、S&P500のフォワードPER(株価収益率)は22.0倍(12/19終値ベース)に達しています。これは5年平均(20.0倍)や10年平均(18.7倍)を明確に上回る水準であり、市場が良いニュースをすでに相当分『織り込んでしまっている』ことを示唆します。

まず押さえるべき『3つのデータ』

これからの相場展望を考えていく上では、まず以下のデータを前提に置く必要があります。
①米国:景気後退なき利下げ(ソフトランディング)がメインシナリオ
FOMCの経済見通し(SEP)によれば、政策金利の中央値は2026年末3.4%と、相当緩やかな低下を描いています。

さらに、2026年10〜12月(平均)の実質GDP成長率見通しは2.3%、失業率は4.4%とかなり堅調な見方です。

これは『景気が悪化したから慌てて利下げする』のではなく、『インフレ沈静化を確認しながら、正常化のために利下げする』という、株価にとって最も好ましいシナリオです。

もちろん、景気や失業率の悪化が目立てば、さらなる利下げとなるわけで、株価にとっては高悪どちらに転んでも買われやすいという展開になる可能性が高いと言えるでしょう。
②米国株:利益成長への期待値が高い(ハードルが高い)
FactSetのデータを見ると、2026年のS&P500構成企業の利益成長率は約15%と見込まれています。

裏を返せば、現在のPER22.0倍という高値は、この『高い成長率』が実現されて初めて正当化されるとも言えるでしょう。

したがって、今後の決算で(A)利益が予想以上に上振れる、あるいは、(B)金利低下によって高いPERがさらに許容されるか、のいずれかが確認できない限り、株価は調整圧力を受けやすい状態と言えます。

特にこのところギクシャクしているのは、AI半導体銘柄を中心にした調整という理由もありますが、そもそも株価が割高なのでアップサイドが小さいのではという懸念があります。

したがって、なんだかんだ上値は重たいというか、高値圏では揺れやすい構造なため、慌てて高値掴みというよりは下がった日に買うぐらいのスタンスで良いと思います。
③日本:利上げしても『緩和環境』は変わらない
日本銀行は12月18-19日の日銀会合で短期金利を0.5%から0.75%へ引き上げました。

しかし、日銀(および植田総裁)は『実質金利は依然として大幅なマイナスであり、緩和的な金融環境は続く』との認識を示しています。

また、11月のコアCPI(消費者物価指数)は前年同月比+3.0%と、目標の2%を上回り続けています。

これにより、日本株は単なる『金利上昇=売り』ではなく、『インフレによる名目利益の拡大』『デフレ脱却による再評価』というプラス側面が同時に作用していくことになります。

🇺🇸米国株戦略:『上昇気流』に乗りつつも…

主要ストラテジストによる2026年末のS&P500目標値は、Reutersの集計で7,490(現在比約+12%)がコンセンサスです。

シティはAI投資の継続を理由に強気の7,700(最大8,300)、JPモルガンも7,500を見込んでいます。一方で、過半数のストラテジストが『今後数ヶ月以内の調整』を警告している点は無視できないでしょう。

すでに2年連続で+20%以上の上昇となったことから、3年連続の上昇に対する高値警戒感は根強く、6,500程度への調整リスクを指摘する声は多いです。
要するに6,500ポイントまで下がれば、PERは20.9倍と5年平均レベルには回帰してくるので、アナリスト的には買いやすい(推奨しやすい)押し目ポイントといった感じなのでしょう。

個人的にも、引き続き6,500〜6,600ポイントは、目をつぶって買えば良い水準だと考えています。

現段階でポジションのない新規勢ならともかくとして、資金の5〜6割以上のポジションを保有しているのであれば、6,800ポイント以上の水準では、慌てて買う必要はないと考えています。

後ほど詳しく解説しますが、ドル円に関しては、やはり為替介入なども十分考えられますからね。仮にドル円が10円下がるとすれば、▲6%以上の下落と同じですからね。

したがって、株価と為替レートという2つの変数が存在し、短期的には荒れそうなので、株価、為替のどちらかが大きく下がった時に追加するぐらいの認識で良いと考えています。

実務的戦略:コア維持(ガチホ)+タイミング・銘柄の分散

💪コアは維持(ガチホ)
『利下げ局面入り+利益成長15%』という強力な土台があるため、上昇トレンドを降りるべきではありません。

特にエヌビディアなどを中心とした勝ち組メガテックについては、安易に降りるべきではないでしょう。引き続き、しっかり握っておくことを推奨したいです。
⚠️集中リスクの回避(二重の意味で)
ただし、AIテーマへの期待が集中し過ぎていることや、『AI銘柄の勝ち負けが明確になる(選別が進む)』局面となりつつあります。

『指数や勝ち組メガテック(コア』をホールドしつつ、サテライトに関してはネオクラウド銘柄(コアウィーブやネビウス、IREN)にのみ集中するのではなく、『AI活用企業(AIインフラ以外)』にも資金の配分先を広げておくことが合理的です。

また、引き続き値動きの激しい局面が続いていますので、レートやタイミングは分散して拾っていくことが重要です。

したがって、サテライト枠の投資においては、銘柄の分散とレート(タイミング)の分散という、二重三重の分散を意識しましょう。
🛡️高PER局面の守り方
急落時に買い向かえる余力(キャッシュポジション)を残す、あるいは資産の一部を株と逆相関で動きやすいゴールド(金)にしておくことでしょう。当然ではありますが。

為替介入がくればフルポジぐらいまで高めて良いと思いますが、現状だと株のポジションは7〜8割がMAXぐらいで、2〜3割はキャッシュを残しておくか、キャッシュでゴールドをコツコツ積み立てていくかぐらいでしょう。

引き続き、年末年始の急騰局面はそこまで信用しすぎず、コア銘柄をホールドしながら揺れた時にサテライトを拾うぐらいの判断で良いでしょう。

ただ、ここで一つだけ『致命的なリスク』についてお伝えしておかなければなりません。

それは、『絶好の買い場(暴落)は、口座開設や入金を待ってくれない』ということです。

私が『6,500ポイントは目をつぶって買えばいい』と言っても、その瞬間に証券口座に余力がなければ、バーゲンセールをただ見送ることになってしまいます。特に年末年始や相場変動時は、口座開設の審査に時間がかかるケースも多々あります。

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日本株戦略:TOPIX的な広がりも

日本株の支えは、東証主導の株価対策の継続と企業業績が挙げられます。野村證券の集計では、2026年度(FY26)に売上+3.1%、営業利益+13.7%の増益が見込まれています。

リスク要因は政治・通商(対中関係、米通商政策)ですが、これらはあくまでバリュエーション上のリスクプレミアム程度なので、現段階では極端に懸念する必要はないでしょう。

実務的戦略:金融・内需へのシフト

日銀の利上げ(0.75%)は、実質金利がマイナスである以上、日本株全体の逆風にはならないでしょう。ただし、日銀サイドが早期の追加利上げを表明した場合は、警戒が必要です。

追加利上げさえなければ、基本的にばバリュー株と銀行株で、資本効率の改善要請と利鞘の改善といった流れが続きやすそうです。

輸出銘柄については、為替レート次第ではあります。現地生産が増えつつあるので以前ほどではありませんが、やはり為替への感応度はそれなりにあるので、意識はしておきましょう。
日経平均自体が、AI半導体指数となりつつあるので、米国半導体銘柄、つまりはエヌビディアを中心としたメガテック次第と言えるでしょう。

日本株全体には追い風が吹いているのに伸びきれないのは、エヌビディアなどが伸び悩んでいることが背景にありますので、引き続き米国株を見ながらといった相場が続くでしょう。

値動き的には、48,000〜49,000円レベルでは底堅いとはいえ、米国株が総崩れならあっさり45,000円に達しそうなので、日本株は勢いがついた時に買うか、崩落したタイミングで拾うぐらいの相場感で。

ドル円戦略:短期の円安粘りはどこまで

『日銀が利上げしたのに円安』という現象は、市場が利上げを先行して織り込んでいたことと、先行きの追加利上げペースに対する不透明感が主な理由です。

また、海外メディアからは再三指摘されている通り、日本の財政状況や国債市場の脆弱性が円の重石となっている側面もあります。

現状では、FRBの利下げ(2026年3.4%へ)と日銀の緩やかな利上げ(エコノミスト予想:2026年末1.00%)により、中期的には金利差縮小で『円高圧力』がかかることになります。

しかし、ペースは緩慢であるため、短期的には円安の粘りによる『為替介入』を警戒したいところでしょう。
市場は明らかに160円接近での介入を意識しています。実際、為替介入のあった2024年7月に160円近辺が『防衛ライン』で、露骨に口先介入が行われたという経緯があります。

基本的には160円が『閾値』となりやすいため、160円以上の水準では『上がったから追う』という順張りよりも、為替介入に備えて150〜155円でドル転する準備を整えておくことが重要でしょう。

過去には、161.96円近辺で為替介入でしたから、今回も160円ぐらいまでは押し目買いで良さそうですが、158円を超えてきた時点でチキンレースですからね。あくまで現状は短期の押し目回転で、日単位でポジションを持つのは避けたいところ。

まとめ:年末年始のチェックリスト

年末年始は市場参加者が減り、板(流動性)が薄くなるため、たった一つのニュースで価格が大きく振れる可能性があります。以下の基準を持って相場に臨みましょう。

🇺🇸米国株のスタンス
・基本は『強気』維持。ただし高値追いは厳禁
・S&P500が6,500〜6,600pt付近まで調整したら、恐れずに買い向かう準備をしておく
・あるいは、為替介入などでドル円が大きく下落し150〜155円になった場合に買う

💱ドル円の監視ライン
・160円から上は『介入警戒』で上値追い禁止❌
・150〜155円への下落は、ドル転(円をドルに替える)の好機と捉える

最大の準備:『武器』を磨いておくこと

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今のうちにメンテナンスや入金を済ませ、いつでも注文を出せる状態にしておくことが、実質的なパフォーマンス向上に直結します。

相場の世界では、『準備している人』と『ただ見ている人』の間には、残酷なほどのリターンの差が生まれます。

2026年に向けて、日米ともに金利と業績の新しいサイクルに入ります。この大きな波に乗るチケットを持っているのは、行動を起こした人だけです。

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ゆきママ
元主婦系投資インフルエンサー。過去にはFX攻略.com(雑誌)やMONEY VOICE(Web)で連載。

現在はFX・証券会社とタイアップして初心者・中級者向け相場解説中、みなさんの質問にバシバシ答えます!フォロワーさん優先。お仕事依頼もこちらまで→https://x.com/yukimamax/

FXではリアルトレードコンテストで2764人中20位(著名投資家の中でぶっちぎり優勝)するなど、実績多数→https://00m.in/LtHlA

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