【AI半導体株急落】相場は本当に終わったのか?NVIDIA・MU・AVGOを不安でも握る理由【6月7日】

【AI半導体株急落】相場は本当に終わったのか?NVIDIA・MU・AVGOを不安でも握る理由【6月7日】
週末にかけて、AI半導体株を中心に株式市場は大きく荒れました。noteで書いていたように、なんだかんだマイクロン(MU)が1兆ドルを超えて上値も重たくなっていたので、調整があるのは仕方がないというか。

🔗noteAI半導体株、今から買うと高値掴み?マイクロン $MU サンディスク $SNDK の本命押し目と握り続ける理由【6月3日】

ある程度は予想されていた下げ。とはいえ、韓国ではKOSPIにサーキットブレーカーが発動し、米国でもナスダックや半導体株指数が急落し、値動きとしては、かなり荒い下げでした。

ここ2ヶ月ぐらいのAI関連株は、メモリ・ストレージ銘柄を中心に、半導体製造装置、データセンター、電力インフラまで、AIに関係する銘柄には継続的に資金が流れ込み、本当に強かったですからね。

だからこそ、大きめに下げると、すぐに『AI相場は終わったのか』という話にもなりやすいわけで。もし、AI関連株で含み損を抱えているなら、なおさら不安になるでしょう。

ただ、最初に結論を言っておきます。今回の下落を見ても、私はAI需要そのものが崩れたとは考えていません。

そして、こういう相場で一番やってはいけないのは、『なぜ下がったのか』を考えないまま、不安だけで売ってしまったり、手仕舞いしてしまうことでしょう。

なので、下落の理由をできるだけ正確に分かりやすく解説しておきます。理由がわかれば、それが『降りるべき下げ』なのか『耐えるべき下げ』なのか、判断しやすくなりますからね。

1つ目:引き金は、ブロードコムの決算

今回の下落の『最初のドミノ』は、雇用統計でもKOSPIでもなく、6月3日の取引終了後に発表された、ブロードコムの決算でしょう。

🔗note【AVGO急落】ブロードコム決算は本当に悪かったのか?『絶好の押し目』と考える理由

ブロードコムはNVIDIAと並ぶAI半導体の主役の一つで、GoogleやMetaなど大手向けのカスタムAIチップを手掛けています。

その決算で、AI半導体の売上見通しが市場予想をわずかに下回りました。次の四半期の見通しは160億ドルで、市場予想の172億ドルに届かなかった上、通期見通しも予想をやや下回りました。

これを受けて、ブロードコムの株価は約16カ月ぶりの急落となっています。

ただ、冷静に見れば160億ドルという数字は、決して弱い数字ではありません。前年同期比で200%を超える伸びであり、需要が減ったわけでは全くありません。むしろ猛烈に伸びていと言えるでしょう。

それでも、相場はすでに『もっと凄い数字が出るはずだ』という期待まで織り込んで買われていました。

だから、『悪い決算』でなくとも、『期待ほどではなかった決算』で売られてしまいました。

これがAI半導体株という『勝ち組』全体に連想売りを広げ、SOX(フィラデルフィア半導体指数)やナスダックを押し下げました。

つまり今回の下げのきっかけは、少なくとも『AIが失速した』のではなく、『期待が高すぎたところに、現実が少しだけ追いつかなかった』という下げです。

この区別は、これからの判断でとても重要となります。

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こういう相場で改めて思うのは、押し目は「来てから慌てる」ものではなく、「来る前に、落ち着いて準備しておく」ものだということです。

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2つ目:雇用統計が強く、金利環境が厳しくなった

次に効いたのが、米国の雇用統計でしょう。

6月5日に発表された5月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が17万人を超える伸びとなり、8万〜11万人程度という市場予想を大きく上回りました。

失業率も悪化せず、数字だけ見れば、米国経済はまだしっかりしている、という話になります。

ただ、株式市場にとっては手放しで喜べません。なぜなら、雇用が強いと、FRBが急いで利下げをする必要性が薄れるからです。

しかも今回の環境は、単に『利下げが後ろにずれた』では済まない可能性が意識されました。

足元では中東情勢の緊張から原油・ガソリン価格が上昇し、インフレ圧力が再び意識されています。

新しくFRB議長に就任したケビン・ウォーシュ氏の下では、『次の一手は利上げもあり得る』という、やや過激な見方も出ています。

つまり、これまでの『利下げ待ち』という局面から、『利上げの可能性すら排除できない』局面へシフトしたことが強く影響しています。

将来の利益を高く評価して買われている高成長株にとって、金利の高止まりや利上げ観測は逆風になりやすいといえます。

このことから、『このバリュエーションはさすがに高すぎる』という見直し売りが出やすくなり、株価が押し下げられる要因となりました。

これが今回の下げの土台、ベース部分となったでしょう。

3つ目:KOSPIの急落で、AIメモリ株の過熱が一気に警戒へ

3つ目が、韓国株の急落です。韓国ではサムスン電子とSK HynixがAIブームの主役として買われ、KOSPI(韓国総合株価指数)は史上初の8,000台をあっさり突破、さらに8,800台まで駆け上がっていました。

HBM需要への期待で、SK Hynixの年初来上昇率は一時250%(3.5倍)を超えていました。

さらに、韓国ではAI半導体ブームを受けて個人投資家の信用取引がかなり膨らんでいます。実際、韓国の信用取引残高は5月21日時点で36.47兆ウォンまで拡大し、過去最高圏に達していました。

さらに重要なのは、その資金が市場全体に広く分散しているのではなく、サムスン電子とSKハイニクスというAI半導体の中核2銘柄に集中している点です。

しかも、サムスン電子とSKハイニクスの2社合計は、5月31日時点でKOSPI全体の時価総額の50.71%に達しています。

つまり、レバレッジ体質に加え、KOSPIは事実上、半分以上がサムスン電子とSKハイニクスで構成される指数になっていなど、極端なバランスになっていました。
今回はそこに、ブロードコム発のAI半導体売りが直撃。さらに、レバレッジ規制などが報じられたこともあり、外国人投資家の売りが止まらず、KOSPIは6%超下落してサイドカー(今年10回目)が発動。サムスン電子とSK Hynixは、それぞれ大きく売られました。

このように、AIメモリ株に集まりすぎた資金がいったんほどけ、韓国から世界の半導体株に冷や水を浴びせた格好となりました。
ただし、SKハイニクスのチャートを見ればお分かりのように、定期的に暴落はありつつも再度レバレッジがかけられて必ず復活しています。それだけ、メモリ企業の成長というのは際立っており、また割安だからこそ結局は買われやすいのです。

4つ目:SpaceXの巨大IPOを前に、勝ち組から資金が抜けた

4つ目は、需給の問題。実は来週、6月12日にSpaceXがナスダックに上場する予定になっています。評価額は最大2兆ドル規模、調達額は750億ドルにのぼる見込みで、実現すれば史上最大のIPOとなります。

これだけの巨大IPOが控えていると、機関投資家も個人投資家も、新しい投資機会に資金を振り向けようとすることは、言うまでもないでしょう。

では、その資金はどこから出すのか。多くの場合、すでに大きく上がった銘柄からで、つまりはAI半導体株となります。

NVIDIA、ブロードコム、AMD、Micron、Marvell、SK Hynix、サムスン電子。AI相場の中心にいた銘柄は、すでにかなり上昇しています。

含み益のある投資家が、IPO参加のために一部を利確する、あるいはリスクを少し落とす、という行動は全く自然な流れです。

これは業績が悪くなったから売る、という話ではなく、資金の置き場所を一時的に変えるための売りです。

ただ、相場ではこの手の売りも十分に株価を動かす要因となりました。やはり、1つなら吸収できても、4つ重なれば相場はどうしても揺れますからね。

💡小まとめ:4つの材料が同時に重なり急落へ

まとめると、ブロードコムの決算が期待に届かず、AI半導体全体に連想売りが広がった。そこに、強い雇用統計と利上げ観測、KOSPIの過熱の巻き戻し、巨大IPO前の資金確保が、ほぼ同時に重なりました。

材料が1つだけなら、相場は吸収できたかもしれませんが、4つ重なれば、さすがに大きく揺れてしまうということです。今回の急落は、まさにそういう下げ方でした。

とはいえ、裏を返せば、これらはどれも『AI半導体の需要が崩れた』ことを示す材料ではない、ということでもあります。

今、含み損を抱えて不安な人へ

ここから先は、すでにAI関連株を持っていて、含み損で不安になっている人に向けて解説します。

まず、いちばん大事なことは『含み損は、まだ損ではない』ということです・

株を売って初めて、損は確定します。つまり、売らなければ、それはまだ『途中経過』でしかありません。今の赤い数字は、確定した負けではなく、相場が一時的につけた評価に過ぎないということです。

次に、覚えておいてほしいことは、値動きの荒さは、長期リターンを得るための『入場料』のようなものであるということ。

大きく成長する可能性のある資産ほど、途中の揺れは大きくなります。したがって、今回下げたこと自体は、何かが間違っていたという根拠にはなりません。

日本人は安定資産を好みますが、インフレ下では変動のある資産こそが良いのです。そうでなければ、インフレについていけないからですね。

そして、今回のように下落理由がはっきりしているときは特に、『下がった事実』だけでなく『なぜ下がったか』を見てほしいと思います。

今回の下げは、AIの成長物語が否定されたわけではありません。期待が膨らみすぎたところに、決算・金利・需給という短期の重しが重なっただけと言えるでしょう。

そういう下げは、時間が経って材料が消化されれば、落ち着いていくことが多いです。

だからこそ、不安だけで売らないようにしたいところ。売るかどうかは、恐怖ではなく、自分が最初に立てたルール・計画で決めるようにしましょう。

「変な高値で無理に掴んでしまった」のなら整理を考えても良いですが、「長期で持つつもりだった」のなら、今日の値動きで方針を変える必要は全くありません。

✅相場が『本当に終わる』ときのサインとは?

もちろん、AI相場が永遠に続くとまでは言いません。しかしながら、本当に終わるときは、もっとはっきりした変化が出るでしょう。
たとえば、大手クラウド企業がAI向け設備投資を縮小し始める…HBMやGPUの需給が、供給過剰に転じる…AI関連企業が、業績見通しを次々と下方修正する…etc

こういった構造的な変化が見えてきたら、話は別です。

しかし、今見えているのは、その逆でGPUの一部は納期が1年近くに達するほど需要が逼迫しており、メモリの供給不足はこの先2〜3年続くという強気の見方も出ています。データセンター投資も止まっていません。

今回のブロードコムの決算も、『期待に対する物足りなさ』であって、需要そのものの崩壊ではありません。

つまり、今見えているのは需要崩壊ではなく、ポジションの調整と言えるでしょう。

短期的に買われすぎたものが売られ、レバレッジが外れ、金利で見直しが入り、IPO前に資金が少し抜けたのです。それだけで、AI半導体の長期ストーリーを全部否定する必要はないでしょう。

これから投資を始めようか迷っている人へ

ここまで読んで、「自分も始めてみたいけど、こんなに荒れている時に大丈夫だろうか」と思った人もいるかもしれません。

迷う気持ちは、とても自然ですし、その慎重さは、むしろ大事にしてほしいところです。

そのうえで、長期投資で本当に効いてくる考え方を、いくつか共有しておきます。

まず、長期の成果を最も左右するのは、『完璧なタイミングで買えるか』ではなく、『どれだけ長く市場にいられるか』だと言われています。

底を当てることより、始めて、続けることのほうが、ずっと大事です。
昨年もそうですが、キオクシアたった13,000円から10,000円に下がったタイミングで、高値掴みだと結論づける株の大先生はたくさんいました。

しかしながら、結果を見れば一目瞭然で、キオクシアの株価は半年で7倍になりました。これこそが、完璧なタイミングで買うことではなく、どれだけ長く市場にいたか、ポジションを握れたかの重要性を表しています。

次に、こういう値動きの荒い相場でこそ、積立(分割購入)が効いてきます。毎月決まった額をコツコツ買っていけば、高いときは少なく、安いときは多く買えるので、『底を当てる』必要がなくなります。

これは、タイミングを読めない、読まないなら、現実的な取引手法となります。

そして、最初から大きく張る必要はありません。少額から始めて、相場の値動きに慣れながら、少しずつ積み上げていくのも良いでしょう。

結論:握れ✊足りなければ、少しずつ追加しろ

今回のような下落があっても、私の投資スタンスは全く変わりません。基本は握るだけ。ポジションが足りないなら、押し目で少しずつ追加すればOKです。

もちろん、ここから一直線に戻るとは限りません。むしろ、しばらくは荒い値動き、あるいは停滞の横ばい、最悪で下落が続く可能性すらあります。

だから、追加するにしても一度に全力でいく必要はなく、数回に分けて、下がったところを拾うくらいで良いでしょう。

そして、これだけは守りたい。レバレッジは、かけないこと。やはりレバレッジをかけると握力が鈍りますからね。しっかり握るのであれば、現物のみにしておきましょう。

最後に今回の下落理由を、もう一度整理しておきましょう。

引き金は、ブロードコムの決算が期待に届かなかったこと。土台にあるのは、強い雇用統計と、利上げすら意識される金利環境。そこに、KOSPIの過熱の巻き戻しと、巨大IPO前の資金確保が重なりました。

どれも短期的には重い材料かもしれません。しかし、AI半導体需要の根本を否定する材料ではありません。

AI相場は、終わったというより、握力を試す局面に入っただけだと考えています。

そして、握力を試されているのは、すでに持っている人だけではなく、これから始める人にとっても、『荒れている時にどう向き合うか』を学ぶ、最初の良い機会になるでしょう。

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🙋‍♀️ よくある質問(FAQ)

Q. 来週いちばん重要なイベントは何ですか?
A. 6月5日の『米雇用統計』です。雇用が強すぎると利下げ期待が後退し、金利上昇を通じてハイテク株の重しになる可能性があります。

Q. 日銀の6月会合はいつですか?為替への影響は?
A. 会合自体は6月15〜16日ですが、6月3日の『植田総裁発言』に注目です。利上げに慎重な姿勢が示されれば、ドル円は再び160円を試す展開になりやすいです。

Q. NVDAはまだ買いですか?
A. 決算は非常に強い内容でしたが、市場はすでに期待を織り込んでいます。来週はNVDA単体よりも、ブロードコムやサンディスク(SNDK)などAI周辺企業の決算や動向から、AI需要の広がりを確認するフェーズに入っています。

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ゆきママ
元主婦系投資インフルエンサー。過去にはFX攻略.com(雑誌)やMONEY VOICE(Web)で連載。

現在はFX・証券会社とタイアップして初心者・中級者向け相場解説中、みなさんの質問にバシバシ答えます!フォロワーさん優先。お仕事依頼もこちらまで→https://x.com/yukimamax/

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