【8/10〜14】S&P500史上最高値!米CPIで相場は一変?メモリ株・ドル円の今週の狙い目

もちろん、米企業の数字は過去最高レベルで非常に強いです。すでに2026年のQ2分は9割近くが発表済みですが、86%が予想EPS(1株当たり純利益)を上回り、売上高は前年比+15%です。
また、アルファベットやアマゾンなどは保有株が大きく利益を押し上げましたが、そういった一時的な要因を除いても、成長率は前年比で平均+32%と、相変わらず化け物企業揃いですからね。
むしろ、これだけの業績にも関わらず、金利によって押し下げられていたのが、今の米国株となっています。
いずれにせよ、現状では金利によって買われた相場ですから、金利次第で上げたり下げたりするわけで。
したがって、今週は8月12日(水)発表の米CPI(消費者物価指数)が注目されるでしょう。ただ、CPIが強くても弱くても素直に喜べないような構造となりつつある点は、意識しておきましょう。
というわけで、今週の株と為替の展望について、順番に解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

先週何が起きたのかを整理
まずは、週末の値動きを振り返ってみましょう。8月7日(金)のNY市場は、以下のようになりました👇🚀S&P500:7,757.64(+0.62%)史上最高値の終値を更新、年初来+13%
📈ナスダック総合:26,690.62(+1.3%)
📈ダウ平均:54,036.93(+0.28%)
週間ではナスダックが+5.2%、S&P500が+3.6%、ダウが+3.0%。主要3指数そろって2週連続高で、4月以来の大幅な週間上昇率でした。
きっかけは、同日の7月の米雇用統計です。非農業部門雇用者数が▲2万3,000人の減少といった、弱い数字が出たことがきっかけです。平均時給も前月比+0.1%と冴えない結果でした。
あからさまな雇用の減速ということで、普通なら悪材料です。それでも株が買われたのは、株式市場からはこう見えたからです。
✔︎「雇用がこれだけ弱いなら、FRBも9月に利上げはできないだろう」
ウォーシュFRB議長は、インフレ指標が強ければ利上げする用意があるという姿勢を繰り返し示してきました。その圧力が消える、という見方です。
実際、米国債の利回りは全年限で低下し、ドルも売られました。金利が下がったことで、リターンを産まない資産である金(ゴールド)も堅調でした。
ここがポイントなのですが、先週の最高値は超絶好調な企業業績が理由ではなく、金利の低下(期待)で作られたものということです。
S&P500採用銘柄は320社が発表を終えて、予想を上回った比率は約86%と歴史的に見ても好調です。ただ、先週の上昇を直接動かしたのは金利でした。
金利で買われた相場は、金利で剥がれる運命です。だから今週の焦点は、やはり金利、それに大きく影響する米CPIというわけです。
今週の注目イベントと経済指標
🔸8月10日(月):日本の6月国際収支・貿易収支、7月景気ウォッチャー調査。相場を動かす材料ではありません。先週の流れを引き継ぐかどうかを確認する日です🔸8月11日(火):日本は休場(山の日) 米国では7月の中古住宅販売件数。日本勢が不在なので、東京時間の商いは薄くなります
🔸8月12日(水):米7月消費者物価指数(CPI) ← 今週の本命、21:30発表です
🔸8月13日(木):日本の7月国内企業物価指数、米国の生産者物価指数(PPI)
🔸8月14日(金):米7月小売売上高
決算では、コアウィーブ(CRWV)、スーパーマイクロ(SMCI)、ネビウス(NBIS)、ルメンタム(LITE)、コヒレント(COHR)といったネオクラウドや光銘柄、AIインフラ関連が並んでいます。
ポイント① CPIは『良くても悪くても』難しい
ここが今週の一番のポイントです。6月のCPIは前年比3.5%でした。5月の4.2%からは鈍化しています。7月分は、コア指数が2.5%程度(前月6月コアは2.6%)まで落ち着くというのが市場の中心的な見方です。
ふつうは『鈍化すれば株高、上振れれば株安』との整理で良いでしょう。でも今回は、そう単純ではないかもしれません。理由は、雇用統計の数字が極端に下振れた直後だからです。
上振れた場合は、ウォーシュFRB新議長の利上げカードが復活することになります。先週の上昇の前提そのものが消えるので、素直に逆風です。
問題は下振れたパターンです。確かに、予想を下回れば利下げが遠のく、金利低下の株高という単純な解釈にはなりやすいです。
しかし、雇用が▲2万3,000人減った直後に物価まで大きく落ちた場合、ちょうど良い鈍化というよりも、米経済の『失速』すら見えてきます。
金利低下はグロース株を支えますが、景気敏感セクターや小型株は逆に売られやすいことになり、指数の中身が入れ替わる展開があり得ます。
今の所はISM製造業指数が強いなど、AI半導体が引っ張る形で米経済はほどよいゴルディロックス(適温相場)気味ですが、これが継続するかどうかが、今回のCPIで問われることになるでしょう。
また、CPIの上振れリスクとしては、ひとつは中東情勢でガソリン価格が高止まりしているが直接的な要因です。
そして、もうひとつが、先ほども挙げたようにAIブームそのものが、先端半導体などハイテク製品や関連サービスの価格を押し上げているという指摘があります。
AIが新しいインフレ要因になり始めているという論点は、今後じわじわ効いてくると思っています。
なお、CPIが出るのは日本時間21時30分。米国市場が開くのは22時30分です。この1時間、数字は出ているのに、日本にいる個人投資家は基本的に何もできません。方向が見えているのに動けない。これがCPIの夜のいちばんもどかしいところです。
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ポイント② SOX反発もメモリだけは戻らず
先週の半導体には、はっきりした温度差がありました。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は金曜に+2.5%上げて、25日移動平均線を上抜けました。7月の急落で溜まった売られすぎ感は、いったん解消したと見ていいでしょう。
ところが、メモリだけは戻っていません。 SKハイニックスADRは金曜も▲5%安。韓国市場も続落していました。SOXが+2.5%も上げた日に、です。
なぜメモリだけ置いていかれているのか。効いているのは以下の2点です。❌理由❶:供給増への懸念が高まった
→SKハイニックスが381億ドル(約6兆円)規模の工場拡張を発表したことで、増産による警戒。加えて、中国のメモリ大手CXMT(長鑫存儲)が上海に上場、初日に466%上昇。中国の増産が価格戦争を招くのでは、といった警戒も重なっています。
❌理由❷:評価倍率が切り下げられた
→金曜、シティがマイクロンの目標株価を1,400ドルから1,150ドルへ引き下げました。中身を見ると、想定PERを10倍から8倍に切り下げたことが主因です。メモリ市況のピークを2027年第2四半期と見ている、という内容でした。
どちらも『今この瞬間の需要が悪い』という話ではありません。将来の供給増による懸念から、市場が許容するPERが押し下げられているという話です。
一方で、DRAM価格は年末にかけて+10〜15%上がるという見方が半導体供給サイドから出ていますし、2028年まで供給が逼迫するという見立てもあります。
SKハイニックスの巨額投資についても、工場が量産に届くまで数年かかるため、短期的な脅威は限定的だという指摘が多いです。
したがって、しばらくは全く影響がないため、引き続きメモリに関しては強気で見ています。
では今週、メモリが戻るきっかけがあるとすればどこか。以下の3つが挙げられるでしょう👇
①CPI後の金利低下 — グロース全体の追い風になれば、売られすぎのメモリは一番跳ねやすい🚀
②AIインフラ勢の決算 — CRWV・SMCI・NBIS・LITE・COHRが今週並びます。ここでデータセンター投資の勢いが確認できれば、『需要は悪くない』という答え合わせになります👍
③メモリの現物価格 — 株価ではなく現物のDRAM・NAND価格の加速が見えれば、供給懸念の織り込みは一巡します👍
逆に、CPIが上振れて金利が跳ねると、もう一段の下げの可能性があります。今のメモリ株は、売り一巡が終わっていないという前提で見ておくのが安全だと思います。
ポイント③ ドル円は158円台での攻防
7月31日の日米協調介入のあと、ドル円は163.99円から155.22円まで急落し、いまは158円台まで戻しています。金曜の雇用統計後には一時156円68銭まで円高に振れる場面もありました。テクニカルで意識されるのはこのあたりです。
・158.08円(200日線) — ここを維持できるかが下の攻防ライン。割り込むと157円台、さらに156円台への下押しに注意
・160.00〜160.27円(75日線) — 大台節目、戻り売りが出やすいゾーン
・161.48円(25日線) — さらに上の抵抗
市場が見ている今週の想定レンジは、おおむね156円台前半から159円台後半です。ただし、上に行くほど介入警戒が強まるため、上値の重さは残るでしょう。
ベッセント米財務長官は、必要であれば追加の日米共同介入への参加をためらわない姿勢を示しています。円安方向は、進むほど当局という壁が近づいてくる構造になっています。
そして、今週は米CPIばかりに目が行きがちですが、8月13日(木)の日本の7月国内企業物価指数は地味ですが見ておく価値があります。
6月は輸入物価が前年比29.7%、企業物価が7.1%の上昇でした。円安によるコスト増が企業間の取引価格にどこまで波及しているか。
ここが強いと、日銀の9月利上げ観測に直結します。8月31日から9月1日のG20にあわせた日米当局者の会談観測もあり、9月に向けての材料は積み上がりつつあります。
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ポイント④ 日本株は11日休場をはさんで日経平均は、先週末の225ナイト・セッションが66,310円で、週明けはすでに67,000円台をうかがおうかという値動き。今週の想定レンジは市場筋で63,000円〜68,000円あたりが見られています。
SOXが25日線を上抜けたことは、日本の半導体関連にも追い風です。ただしメモリ系(キオクシアなど)は米国メモリ株次第なので、SOXの戻り=全部戻る、とはならない点は注意したいところ。
もっとも、やや円高気味に振れる中で67,000円台奪還となれば、日本株もかなり力強い値動きと判断してよく、極端な下値を警戒する理由は今のところないでしょう。
先週の決算でポジティブに評価されたのは、ルネサスエレクトロニクス、イビデン、フジクラ、オムロン、メルカリ、花王あたりです。AI・半導体以外にも物色が広がるかどうかが、今週の地合いを測るポイントになります。
11日(火)は休場がややノイズですが、週明けの値動きを見る限りは問題ないと考えています。
今週も引き続きメモリ株を物色
サンディスク(SNDK)、マイクロン(MU)、SKハイニックスADR(SKHY)、エヌビディア(NVDA)、アルファベット(GOOGL)などを保有していますが、今週はSKを優先していこうかなと。
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繰り返しになりますが、今のメモリ株については、メモリのピークに対するネガティブな見方や、アナリストの許容PERの引き下げといった需給に関係ない部分で動いているので、買いだと思います。
特に米CPIの結果を受けて米株全体が下がるタイミングで拾えるならラッキーですね。焦りすぎることはないですが、下げればしっかり拾っていくことを意識しています。
方向性を当てに行くというよりは、将来性を評価して下がるなら順次追加していくイメージで見ています。
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ここまで『水曜の21時30分に』『木曜の企業物価が』と書いてきましたが、そもそも深夜に相場を見ていられないという人のほうが多いはずです。
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そして実際、先週のドル円が8円以上動いたのも、その多くは日本時間の深夜から早朝でした。起きて張り付ける人だけが取れる相場なら、大半の人は最初から蚊帳の外ということになってしまいます。
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— ゆきママ (@yukimamax) August 7, 2026
まとめ:今週チェックすべき3つ
✔︎水曜21時30分のCPI — 上振れなら利上げカード復活、下振れなら失速懸念。市場が望むのは『ほどよく鈍化』という適温相場
✔︎メモリが戻るかどうか — SOXは25日線を回復したのにメモリだけ置いていかれている。カギは金利、AIインフラ勢の決算、そして現物価格
✔︎ドル円158.00円の攻防 — 上に行くほど介入警戒が強まる非対称なレンジ。木曜の日本の企業物価は9月の日銀への布石
先週の最高値は、金利が作ったものです。今週は、その金利が焦点となります。もちろん、そもそもとして米企業の数字は強いので、まだまだ伸びていくことも十分考えられます。
とはいえ、休暇シーズンの夏枯れ、そして、米国にとって1番弱い、鬼門の9月相場となっていきますので、油断はせずに見ておきたいところです。
もちろん、新規勢にとって今はまたとない投資のチャンスですから、しっかり狙っていただければと思います。
また、リアルタイムの実況はXで、個別株の深堀はnoteでやってるので、以下もフォローしていただけると嬉しいです👇
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平日のリアルタイム更新はこちら。水曜21時30分のCPIの結果と、それを見て私がどう動いたか(あるいは動かなかったか)も、その場で解説。ドル円が158.08円を割ったとき、メモリ株が動いたときも同様です。
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