FOMC（米連邦公開市場委員会）では、0.25%の利上げとハト派と言えばハト派でしたが、BOE（英中銀）を始めスイス中銀なども相次いで強気の利上げを継続、銀行は大丈夫だ、銀行は大丈夫だ、銀行は大丈夫だ、と思われましたが、ドイツの金融機関が例のAT1債絡みの動向で懸念が広がり、欧州銀行株が再び売られてリスクオフのドル高・円高という流れ。やはり利上げの緊張感も影響したか。

この今日の流れを受けてラガルドECB総裁も「EUの金融システムは安全だが、必要なら流動性供給を行う準備がある」として混乱の沈静化に努めています。これを受け、ややユーロも持ち直しています。

ちなみに今回は銀行の破綻懸念というよりも（最終的にはそうなるのだが）、クレディ・スイスがAT1債を全損扱いした影響でAT1債利回りが急上昇（価格は暴落）し、借り換え時の調達コストが大幅に増加したことで早期償還をスキップした（償還しない）ことが背景となっています。

まぁ利回りが急上昇しているため、わざわざ繰り上げて早期償還し、新たな債券を発行する経済的合理性はないので正しいのだが、そうすると市場関係者からAT1債離れが起こるわけで、さらに金利が上昇（価格は暴落）するため、売るに売れなくて（売ったら大損するため）ヤベェじゃんみたいな話。

そうすると、投資家はとりあえずCDS（クレジット・デリバティブ、企業の債務不履行にともなうリスクを対象にした金融派生商品）でヘッジするわけですが、みんな殺到するのでCDS価格が大きく上昇して、側から見ると潰れる5秒前でマジ銀行ってクソヤベェじゃん？っていう見方になるわけで。

とりあえず、一過性の動きではありますが、しばらくAT1債周りのゴタゴタも続きますから、定期的に金融不安というのは高まり続けますし、今は多くの中央銀行が資金を供給することで凌いでいますが、一歩間違えればぶっ潰れるところも出てくるわけで、そうなったら連鎖ドミノも現実的になりそう。

問題の本質は利上げ！利下げ局面にでもならない限りは混乱が続く

クロス円ショートだね〜♪ AH AH いくつかの反発 AH AH うまく言えないけれど 戻り売りだよ〜♪ というわけで、ひたすらクロス円のショートに徹してください。なんでかっていうと、やっぱり金融不安は今後も定期的に出てくることが想定されるからです。

結局のところ、金融機関が混乱している背景にあるのは、急激な利上げですからね。利上げが終わって利下げ局面にでもならない限り、銀行の傷んだポートフォリオというのはそう簡単に改善されないわけで。

シリコンバレー銀行の破綻はあまりにも特殊で、バブルにバブったシリコンバレーのハイテク企業の資金が一気に抜けたことが要因ではありますが、今後は景気が悪化して収益減、さらに資金調達も厳しくなる中で、ボコボコ小さなテスタ企業は潰れていくわけで。そうなれば、そこに貸していた銀行はどんどん傷むわけで。

今は企業以外の資金流出は穏やかとされていますが、流石に次にどこかの銀行がミスって潰れるようなことがあれば、動きの緩やかな一般市民も中小銀行から預金を引き出して大銀行へとシフトすることでしょう。まぁ連鎖しそうですわね。

というわけで、とにかく利下げ局面にならない限り、銀行も、金余りが故に存続してきたクソ企業も本質的には救われず、バタバタと連鎖的に倒れていく可能性がありますから、そのつもりで見ておきたいところ。

ドイツ銀行は問題なし！土日に対応策が発表されて週明けは反発可能性大

今日はドイツの金融機関がネタとなり、ドイツ銀行の株が大きく下がったのでユーロ安につながりました。あとは、欧州PMI（購買担当者景気指数）がボロボロだったこともユーロ安加速要因。一方で、先ほど発表された米国のPMIは強かったですからね。

ただ、別にドイツ銀行に本質的な問題があるわけではないので、この反応も一巡すれば過度に売られたユーロは戻す可能性が割とある点に注意。この円高も一巡すれば反転するでしょう。特に今のところは致命傷ではないので。

ユーロドル（日足）:TradingView

ユーロドルは1.080ドルラインが再びレジスタンス（上値抵抗）となる可能性はあります。もっとも、今のところは下値余地も限定的で1.070ドルレベルを保っていますので、ここを割り込んでこない限りは上方向への動き出しに警戒したいところ。

特にFRB（米連邦準備制度理事会）は次で利上げ打ち止めを明確にしたのに対し、ECB（欧州中央銀行）は未だに継続的な利上げが必要としていますからね。落ち着いてくれば、米欧の政策スタンスが意識され、ユーロドルは伸びやすいのでユーロ円を売るときは十分引きつけたいですね。これが反省点。

ユーロ円（日足）:TradingView

ドル円の動きを踏まえると、ユーロ円はもっと下でもおかしくはなさそうなのですが、結局は139.00円ラインを守って140円台に反発。底堅さを感じさせる値動きとなっています。一方で、143円台で安定するのにも失敗しており、上がっても143円台が限度か。

よっぽど相場環境が改善、金融不安が解消したとしても、FRBを中心に再び利上げ加速といった話にでもならない限り、145円は相当遠いですからね。

となると、上値の重さを感じさせる142円台で厚めに売れば良く、まずは141円台に頭を出してきたら軽く叩いてみるイメージで良いでしょう。

全くポジションを持ってないのであれば、ごく軽めに現状の水準、140.50円ぐらいでポジションを持っても良いかと。ただ、この土日で金融不安払拭に向けての動きは出ますから、慌てて売る必要はないですね。週明けの反発を待つほうがベターです。

ドル円（日足）:TradingView

ドル円はFRBのスタンス変更でもない限り、買う理由があまりないですね。極度のリスクオフになればドル高にはなるでしょうが、円高が勝るでしょう。こちらも基本的にはショート・戻り売りとなります。

ただし、受け皿となる通貨、ユーロなどが買えるような状況にならない限り、極端なドル安もないため、ツッコミ売りをすると動かなくて死んでしまいそう。まずは131.50〜132.00円レベルまでの吹き値があれば売るぐらいで、まったり構えていたほうが良さそうです。

為替はこんな感じですね。株は引き続き弱気で良いと思います。利上げのピークが見え、いよいよ利下げに議論が移っているのに上昇しても長続きせず、この程度ですからね。一定レベルの底堅さはありますが、クラッシュしてから動けば十分でしょう。しばらく円高もありそうですから、全然待てます。

それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございました。今後もブレずにトレードしていきましょう！という感じで、お互い頑張っていければと思います。興味のあるサービスがあれば、口座開設よろしくオネシャス！！

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