軍事銘柄（防衛株）上昇、ユーロ円急騰、完全に読み通りでしたね。先週末から週明けにかけて書いたnote、ブログ記事通りの展開となりました。

note➡︎交渉決裂から考えるウクライナ情勢の現実/NATO不安定化で注目すべき軍事AI・サイバーセキュリティ銘柄
■ブログ➡︎トランプ砲でビットコイン急騰！米国株も催促相場に？為替は巻き戻しの円売り警戒/3月3〜7日の週間相場展望

しばらくは欧州の軍事費増からの欧州株高などを意識したユーロ買いという流れでしょう。また、これも繰り返しになりますが、投機筋は円高を織り込んで金利の低い対ユーロなどで円買いポジションを積み増していたこともあり、大きな巻き戻しにつながる可能性があります。

やはり、しばらくはユーロ円を中心に安易なクロス円のショートは避けるべきでしょう。売るにしても、ロシア-ウクライナの停戦期待や米国の景気減速を意識した原油安で売られやすい豪ドル円、NZドル円などを選んだ方が良いでしょう。

というわけで、今日の為替や株価の値動きを踏まえながら、欧州株やユーロの動向を中心に今後のトレード戦略について解説していきますので、よろしくお願いします。ドイツの軍事関連銘柄も紹介しているので、最後までお読みくださいね🥰

週明けはドル安・円安なのだ。ポンドはやや買い戻し。一時的な値動きなのか、今後も続くのかは見極めたいのだ。
やはり円買いポジションが史上最高レベルで、巻き戻しには警戒なのだ。特に対ユーロで売られていた分、ユーロ円やクロス円の巻き戻し余地は大きい。
クロス円のショートは避けるのが無難 pic.twitter.com/DgHcyCFJyo

— びん子＠社畜アナリスト (@araisanfx) March 3, 2025

ちなみに、為替に関してはほぼ毎日朝から昼にかけて、状況などをびん子（@araisanfx）がポストしていますので、必ずフォローしていただければ！読み通りでした→@araisanfx

【今日の相場概況】ユーロ円急騰の背景とは？

継続にはそれなりにハードルはありますが、短期的には資金の逆流が起こっていくかもしれませんね。というのも、先月は日銀が利上げに積極姿勢を示したことで、今年の円高を確信した投機勢はグロス値（差し引きしない純粋なポジション）で過去最大の円買いポジションを積み立てていました。

特に欧州はECB（欧州中央銀行）が金利を引き下げていたことで、ネガティブキャリー（マイナススワップ）になりにくいという特性上、ユーロを売って円を買うという動きが強かったですからね。短期的には、ちょっとした調整が起こっているといったところです。

継続するかどうかは悩ましい面もありますが、3月18〜19日の日銀金融政策決定会合で、もし5月、あるいは6月の利上げに前向きじゃない、温存するといった姿勢が見られた場合には、買い増していた円買いポジションの巻き戻しが発生する可能性はあるでしょう。

あとは、やはり短期的には欧州株高ですからね。実需的なユーロの需要というのも存在します。明日4日はトランプ大統領の施政方針演説があり、欧州関税などへの言及から荒れそうではあるので、高値でつっかけていく必要はないですが、基本的にはユーロ円などのクロス円はやや押し目買い意識でしょう。

為替：短期は欧州通貨買い、円安加速！欧州関税ネタには警戒

長い目で見ると欧州は厳しい立場にあるわけですが、とりあえずはウクライナへの連帯パワーというか、軍事費増を意識したDAX（ドイツ株価指数）の上昇もあり、ユーロが底堅い値動きとなっています。

また、先ほど（3日19:00）に発表された欧州の2月消費者物価指数（HICP）が予想を上振れたことや、ECB（欧州中銀）の利下げが次の会合で一旦打ち止めが封じられたことも、ユーロ買い、ポンド買いに傾かせています。
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通貨強弱を見ると、欧州時間帯から一気に円売りに傾き、ユーロ高・ポンド高（ドル安）となっています。売りすぎていたユーロの買い戻し、そして買いすぎていた円を一旦売る動きもあったのでしょう。

今後も欧州株が強めの推移を続ける限り、この流れが継続しやすいと思われます。ただ、繰り返しにはなりますが、欧州関税などのノイズでユーロが急落する場面というのは、引き続き想定しておきましょう。

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ユーロ：ドル安も支える、ユーロ円はどう転んでも底堅いか

ドル円が引っ張る展開から、ユーロ円やクロス円が引っ張る展開となっています。まぁユーロドルも急騰しているから当然ではありますけどね。
最近は米指標がイマイチの数字ということもあり、ドル買いの限界感があることもユーロの追い風とはなっています。米国は今週、雇用統計などの重要指標があるので、その辺の数字にもユーロドルは反応しそうですけどね。

ただ、米指標が好調でユーロドルが押し下げられても、米国の景気後退懸念が払拭されてドル円は上昇しやすそうですから、ユーロ円に関してはドル円の上昇が引っ張る展開となりそうです。

まぁいずれにせよ、ユーロやポンドが買われたことで、主要通貨の中では再び円が最弱通貨となりそうといった感じですね。

ドルインデックスが106ポイントをしっかり割ってくると、ユーロドルも1.05〜1.06ドルの重そうなラインを抜けてきそうではありますが、そのためには雇用統計など、米指標の弱い数字が必要でしょう。

ただ、そうなると米ドル安でユーロドルは上がっても、同時に円高でユーロ円も押し下げられそうですからね。なかなか悩ましいところです。
ユーロ円に関しては、156.00円前後が強めのサポートとなりそうでしょうか。21日移動平均線（157.911円）を超えて一段高ではありますが、ここからは少し材料が必要そうですね。159.00円レベル、160.00円の節目レベルはそれぞれ重たそうです。

まぁ157.00円前後まで落ちてくれば、軽く拾って断続的に追加していくのはアリでしょうか。ただし、ズルズル156.00円を割り込むなら一旦損切りでしょう。

ドル円：雇用統計などで強めの数字が出れば一段高へ

ドル円も一段高となり、151円台へ。ここでしっかりできれば、下値リスクはやや後退したと言えるでしょう。
目先のターゲット21日移動平均線（151.532円）程度で伸び悩むと怪しいですが、ここもあっさり攻略なら、200日移動平均線（152.405円）や153.00円レベルが見えてくるでしょう。153円台達成なら、トレンドとしてはかなり強いですね。

そうなってくると投機筋の円買いポジションの巻き戻しも発生しそうで、一気に155〜156円といった展開も考えられるので、そのつもりで。

とりあえず、150円台半ばぐらいから拾ってみて、あっさり150円台割れなら149.90円で損切りして様子見といった感じでしょうか。

いずれにせよ、ドル円もクロス円も一旦売りの手を止めてみる必要があるでしょう。短期はユーロ円やポンド円優先で。まぁ米指標が強めで押し目があれば入ってみるイメージですね。

長期的にはリスクも軍事費増が支える短期的な欧州強気相場

少し長い目で見ると欧州には困難しかないんですけどね。軍事費増額で財政難、景気対策が遅れて欧州経済回復も先送り、みたいなパターンもあり得ますし。また、EU債発行でインフレ再燃リスクもありますからね。

短期的には軍事、復興バブル意識ですが、どこかのタイミングでギクシャクし出す可能性は意識しておきましょう。
ゼレンスキー大統領の交渉は稚拙でお話にならないレベルでしたが、それでも欧州は連帯ということでリスクオン（選好）。まぁ米国が支援に積極的でないなら、いずれはウクライナも折れて妥結せざるを得ないという思惑もあるのかもしれません。

米国株先物もまずまず強めなので、とりあえずは買い戻しの流れということでしょう。とにかく、ECBの利下げにより、欧州はひと足さきに金融相場が始まっていることもあり、短期的には強そうなので、そのつもりで。

米国はFRBの利下げ姿勢待ちでしょうか。本格的に買っていくとしたら、その辺りからじっくりとやっていきましょう。

ちなみに、個人投資家が日本株買いを迷っているという報道がありましたが、日銀は今後利上げですからね。しかも、日本経済は米国ほど強くないですから、上値余地は限られています。日本株を買う必要は全くありません。

ドイツ防衛関連銘柄：まずは大手のラインメタルを筆頭に

ちなみに、ドイツの軍事関連銘柄について質問があったので、いくつか紹介しておこうと思います。まぁ短期的には強いだろうなという程度で、これを買えといっているわけではありませんので、その辺は注意で。

・ラインメタル（Rheinmetall AG）
ドイツ最大の兵器メーカーであるラインメタルの株価は記録的高値を更新しています。年初から3月初旬までに50%以上急騰しており、ロシアのウクライナ侵攻開始（2022年）以降では実に8倍超に達しています。

ラインメタルは受注好調と増収見通しで、2025年の受注高は売上高の3倍に達するとの分析もあり、フル操業で成長中とのこと。

やはりウクライナ戦争を受けたドイツの歴史的転換点とも言われる国防費拡大の追い風が続いています。さらに、短期的にはNATOの不安定化などから上昇が期待されるでしょう。

ただし、短期的には欧州各国の軍事費増が決定されたタイミングが1つのピークとなりそうなので、その辺に向かって買っていくイメージでしょうか。なお、モルガン・スタンレー証券は直近で目標株価を1,300ユーロに引き上げています。

・ヘンゾルト（Hensoldt AG）
防衛電子機器大手ヘンゾルトも2025年初来で二桁％の株価上昇となっています。年明け以降の上昇率は一時＋30%以上に達し、2月下旬には株価史上最高値を更新しています。

上昇の背景には好調な受注と業績見通しがあります。同社は2024年通年の受注高が前年比＋28%増の29億ユーロと過去最高を記録し、2025年も売上高25〜26億ユーロへの増収が予想されています。

防衛予算拡大で欧州各国からセンサー・レーダーなどの注文が相次いでおり、2月中旬には独西両政府からユーロファイター戦闘機向けレーダー契約（3.5億ユーロ規模）の延長を獲得するなど、堅調です。
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・レンク（Renk Group AG）
戦車など軍用車両向け変速機大手のレンクは、2024年2月に新規株式公開（IPO）した上場企業です。中小型狙いの場合は、これに突っ込んで良いと思います。まぁ売られる時は暴落待ったなしでしょうが。あくまでブーム株の位置付けです。

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