✅今夜の雇用統計はどうなる？短期トレード戦略とポイントを解説
今夜発表される米国の雇用統計ですが、予想から大きく乖離するような結果にならない限りは、為替相場へのインパクトはかなり限定的だと考えられます。

とはいえ、月に一度の重要指標であり、結果次第では値動きが活発化する可能性もあるため、展望やポイントについて解説しながら、具体的なトレード戦略もまとめておきます。

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米国vs欧州-今年はコントラストが鮮明

米国ではトランプ政権に対する減税や規制緩和の期待が高かった一方、実際には関税強化やコスト削減策が目立ち、市場は失望感を抱いています。最近の経済指標もやや下振れしており、景気後退を意識した動きが強まっているのが現状です。

一方、欧州（特にドイツ）は、防衛費の増額や大規模インフラ基金の発表など財政出動に力を入れており、『米国が地味な緊縮路線になる一方、財政拡大のドイツが良く見える』という構図が今年の相場にも反映されています。
株価を見ても、欧州がついに覚醒といったチャートになっています。ゼレンスキーとトランプの停戦交渉決裂後、3月5日にドイツは5,000億ユーロ（80兆円）規模の“緊急防衛インフラ基金”を発表し、憲法改正をしてでもウクライナ支援をしていく構えです。

そうは言っても、いずれは欧州の成長性という意味では年の中盤から後半にかけては懸念が出てくるでしょうし、今は米国のハイテク株の仕込みどきだとは思いますが、短期的には欧州優位、欧州株高・ユーロ高が意識されやすい状況と言えるでしょう。

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雇用統計のポイント/予想と展望

すでに公表された雇用関連の指標では全体的に悪化傾向が見られますが、エコノミスト予想では2月の非農業部門雇用者数（NFP）は+16万人程度の増加が見込まれています。1月の天候不順の反動で2月はやや持ち直す、という見方です。
失業率は4.0%前後で安定推移が続く見通しで、依然として歴史的に見ても低水準です。FRBの想定（2025年平均4.3%程度）よりも低い水準で推移しており、労働市場は引き締まった状態にあるといえます。

賃金（平均時給）は前月比+0.3%程度の伸びと予想され、1月の+0.5%よりはやや減速する見込みです。ただ、労働生産性の上昇（＋2％程度と指摘）も考慮すると、年率４％程度の賃金上昇ではインフレを急に刺激するリスクは低いとみられます。

これらのことから、予想から大幅にブレない限りは穏やかな値動きとなるでしょう。雇用統計が想定通りの結果なら、FRBの政策見通しも大きく変わらないため、極端なドル買いやドル売りに振れづらいと考えられます。

今回の雇用統計が為替相場に与える影響

雇用統計が想定通りの結果なら、FRBの政策見通しも大きく変わらないため、極端なドル買いやドル売りに振れづらいでしょう。

・予想以上の数字ならドル買い要因
→景気後退を懸念している現状をやや和らげ、市場に安心感が広がるため、ドル買い・株高につながるケースがあります。

・予想以下の数字ならドル売り要因
→景気の先行き不安が高まり、ドル売り、米国株安になる恐れがあります。ただし、その一方でFRBの利下げ期待が高まれば株が上がるという値動きになる可能性もあるため、相場の反応はケースバイケースと言えるでしょう。株の値動きも見ておきたいですね。

主要通貨ペアの展望とトレード戦略

ドル円、クロス円は日銀などのノイズが多いので、しばらくユーロドルの押し目を狙うようなトレードでいい気がしますね。直近のドル安はやや過剰気味なので、予想並かそれ以上の数字が出ればドルは戻しやすいと思います。
ドルインデックス（主要通貨に対するドルの強さを指数化したもの）は急激に下落。過剰なので、強めの数字が出れば巻き戻しも大きそう。とは言え、結局はメッキの剥がれた米国トランプと覚醒ドイツという構図ですから、ユーロドルは底堅い値動きを続けるように思います。

円相場については、再来週の日銀イベント次第といったところですが、短期的には春闘の賃金交渉が強気であることから円高を意識する値動きとなってますので、ユーロ円の上昇などでクロス円全体の下値を掘る動きもそこまでではないですが、基本的に上値は重そうですね。

ユーロドル/ユーロ円：ユーロは押し目狙いでOK！

雇用統計が悪ければドル安から、ユーロドルはもう一段の上昇となりそうですね。ただ、短期的にはかなり上げすぎ感もありますので、トレード的には押し目を狙いたいところでしょう。

200日移動平均線（1.07246ドル）をサポートとして、1.080ドル前後から軽く買ってみるイメージですね。この場合、1.070ドル割れの1.069ドルで一旦損切りです。

弱めの数字なら1.10ドルの大台も十分あるでしょうが、短期的には行き過ぎ感が否めませんので、やはり基本的には押し目を狙いたいところでしょう。
ユーロ円はユーロドルの上昇の割には伸び悩んでいますね。というのも、米国株が下げてややリスクオフ（回避）気味で米国債が買われたことによって米国の金利が低下しており、金利差縮小のドル売り円買いからクロス円の上値も重たくなってるんですよね。

まぁ雇用統計が強くても弱くても極端な値動きにはならないでしょうが、あまりに弱く米国株がさらなる下落となった場合には、ユーロ高でもユーロ円の押し下げが意識されるでしょう。

雇用統計の弱さをFRBの利下げ期待として、米国株が上がっていけば、ドル安からのユーロ高、そして円安効果で上がっていきそうではありますが、この辺の相場の流れを見極めるのは難しいですからね。

とにかく、トレンドというよりはレンジなので、短期的には159.10〜161.30円レベルの値動きを想定してトレードするしかないでしょう。ユーロが強い以上は押し目買いで159円台に差し込んできたら少しずつ拾ってみる程度でしょう。この場合、159円台を割り込んだ158.80円で損切りです。

ドル円：戻り売り有利か？ツッコミ売りは避けてレンジ意識で

冴えない数字なら、146円台に下げてきそうですね。ユーロドルが強いので極端には下げてこないでしょうが、それでも弱い数字が出た場合は、米国株高にでもならない限りはジリジリと下値を掘ってきそうですね。

まぁこれだけドル安でも147.00円のサポートすら割れていないわけですから、底堅いとも言えますけどね。そういった意味では、やはりツッコミ売りは避けたいところでしょう。特にドル高材料が出て株高となった場合、戻しが急激に出る可能性があります。

まずは、149円台に戻し切れるかどうかでしょう。あっさり戻してくるようだと150円の大台も見えることになりますので、安易に売るのは避けたいところ。

逆に148円台で伸び悩むなら、戻り売りもアリでしょうか。もっとも、底堅さもあるのであえて売るほどではないと思います。

まとめ：基本的には予想並を想定！ユーロドルの押し目を狙え

企業の求人件数は多く、職探しには苦労していない状況なので、雇用統計はそこそこ堅調だとは思います。なので、基本的にはややドル高を想定していますが、すんなりドル円が伸びていくほどかというと、そこまでの強さはないと想定していますので、トレード的にはユーロドルの押し目を狙うのがベターなのかなと思います。

・雇用統計は予想から大きく外れなければ、相場のトレンドを大きく変えるほどのインパクトは考えにくい
・短期的にはドル安＆ユーロ高が続く可能性が高い一方、指標の結果次第で巻き戻しもある
・ユーロドルの押し目買い戦略がやりやすい一方、クロス円やドル円はやや不透明要因が多い

とりあえず、こんなところで。雇用統計のX最速報やトレードは、ゆきママ（@pawhara_arai）でやっていくので、ぜひフォローしていただければと思います➡︎@pawhara_arai

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