メリクリ！今日（25日）の植田日銀総裁の発言で、ドル次第で1ドル＝165円という新たな水準も視野に入ってきましたね。やはり私たちは、さらなる円安・インフレに備えなければならないでしょう。必要なのは、ひたすら投資ですね。

てなわけで、今日は植田総裁の発言内容を踏まえながら、今後のドル円についても簡単に解説していくので、よろしくお願いします。

利上げは3月以降が本命に！春闘を確認したい意向を再度表明

先週（19日）の日銀金融政策決定会合後の定例記者会見が想定よりもハト派とのことで、市場では円安が進みました。その反省から、今回は利上げに前向きなタカ派的な姿勢を見せて、円高にするのではとの期待がありました。

しかし、結果的に植田総裁の発言内容にほとんど変化はなく、1月の利上げすらなさそうで、3月以降の利上げを織り込む動きが継続しそうです。

今日の経団連審議会での講演では、植田総裁は2%の物価目標達成に近づいたとした、来年2025年はさらに近づく年になるだろうとしていました。

そして、追加利上げの時期を決定する要因としては、（1）国内春闘に向けた動き・賃金水準と、（2）米国経済、トランプ政権の経済政策、この2点を挙げていました。

これは従来通りですね。（1）の春闘に関しては、概ね2月ごろから春闘（交渉）開始、3月ごろに企業が回答となりますので、これを踏まえると最短でも来年3月18-19日の日銀会合で利上げ、ということになります。

また、（2）に関しては、トランプが1月20日に就任し、減税や関税などの結果を受けて米経済がどうなるか、ということです。

就任直後に実施される政策で、ある程度の織り込みは進みそうですが、経済政策の効果を見極めるためには、それなりの時間も必要になりそうなので、これも3月以降の利上げを裏付けることになりそうです。

ちなみに、2025年の日銀金融政策決定会合は、1月23-24日、3月18-19日、4月30日-5月1日…が予定されていますので、やはり3月が本命か、遅いと5月ということになりそうです。

過剰なインフレを懸念！円安加速なら1月利上げも…

ちなみに、先週の記者会見との明確な違いとして、今回の講演では、低金利を維持し続けることに対する懸念を表明したことが挙げられます。

植田総裁は「（利上げが遅れれば）物価上昇率が2%目標を上回って加速し、後になって、急速な金利の引き上げを迫られるリスクが高まる」としており、金融緩和が過剰となって、結果的にインフレターゲットを上回って加速するリスクに対し懸念を表明していました。

要するに植田総裁としては、正常化へ向けた言及を行うことで、若干のタカ派を意識させたかったのかもしれませんが、結果としては失敗し、講演後に若干円安に進みました。

この円安の流れから、米経済好調でドル高が加速して1ドル＝160円を大きく超える場合は、1月為替介入からの利上げコンボで円高誘導、というパターンもあり得なくはなさそうですが。

まぁ円安の流れで家計負担がさらに増して、インフレ税が増えそうですからね。10円の円安で、家計負担は10万円以上増えると言われており、やはり、インフレ・ステルス税対策としての投資というのは必須であるように思います。

◆参考記事➡︎ステルス値上げ＆インフレの正体！ “隠れた税金”で生活が苦しくなる？【対策も解説】

ドル高のハードルも高いが、底堅い円売りは継続しやすい

今後のドル円がどうなるかといえば、とりあえずは米国次第でしょう。米国の雇用統計は再来週の1月10日発表ですが、それに向けて日々の経済指標を確認していくことになりそうです。

特にインフレ関連で強めの数字で、米国も利上げが意識されることになれば、ドル高で1ドル＝160円の大台節目突破から、165円程度を目指す値動きとなるでしょう。
日本の早期、1月利上げの可能性がかなり下がった印象なので、少なくとも3月ぐらいまでは円売りで遊べるわけですからね。仮に3月もスキップで継続性がないとなれば、さらなる円売りも想定されるわけで。

円高になりにくいという環境であることから、ドル円・クロス円は底堅い値動きが想定されます。ドル高にも限界感がありますが、かなりドル安に傾くような、非常に弱い米国の経済指標が出てこない限り、1ドル＝150円の大台割れは見えにくいでしょう。

また、クリスマス、年末年始は薄商い（注文、トレード自体が少ない）となって相場の値動きが増幅されがちですから、もし特段の材料なしに円高、1ドル＝155円台や153円台に差し込んできた場合は、拾っていけば良いと思います。

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