エヌビディアは神決算、ジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の講演はややタカ派寄りだったものの、懸念されていた自然利子率（Rスター）、中立金利の上昇という話題には触れておらず、無難に終えたといった印象。しかし、それでも上がりきれないのが今の株価なんですよね。

ジャクソンホールにおけるFRBメンバーの発言をまとめるとこんな感じです。「追加利上げの用意がある」との発言に反応して、ドル高・株安となる場面がありましたが、結局はデータ次第ということであり、サプライズなしとの判断で反発。しかしながら、再度株価は急落、そして安値圏で買い戻されて反発と、週末は忙しい値動きでした。

反発されるとすぐに利食い注文がドカドカ入り、一方で安値圏では拾われるという典型的な夏枯れ相場の商状が継続してます。

最短ならレーバーデーで再起動も？金利が下がれば怖いものナシですが…

「じゃあどうやったらこの状況が終わるのか？」を考えると、まず1つは時期的な問題で、米国の夏休み明けとなるレーバーデー（9月4日）以降に強気な機運、市場参加者がどれだけ戻ってくるかという話で、ここで下値を固めて上昇を感じさせる動きが出てくれば上昇軌道に戻っていきそうです。

もう1つは、そもそも小高い動きを続ける米金利が株価上昇の大きな阻害要因となっているわけですから、これが下がっていけばという話ですね。今週末の雇用統計も含め、弱めの雇用指標やインフレ指標が出れば下がりやすくはなるわけで、それが出るかどうかもポイントです。

米2年債/5年債/10年債利回り（日足）:TradingView

超絶タカ派のメスター総裁ですら、7月時点で「幾分の利上げが必要」さらに今回は「おそらくまだやるべきことがある」という、もうちょっとだけ金利を上げるかもしれない程度の示唆にとどまってるわけですから、ここからゴリゴリ金利を上げていくパワーはなさそうかなと。そういう意味では、極端に悲観する必要はないでしょう。

一方で、需給バランス的には赤字国債の発行増という需給バランスにより、金利が下がりにくい状況にあるのも事実なわけですから、今のまずまず強い米国の経済指標などが続く限りは、下げも見込めないというのが現実かなと。まぁ金利が下がってくれば、やや弱気の投資家たちもボチボチ動いて株価がしっかりしてきそうではあるんですが。

あとは、秋予算の成立に向け、どれぐらい共和党が頑張るかというのもありますね。レーバーデーを明けは議会も再起動しますが、小さな政府を目指す共和党が民主党バイデンに対抗して、予算を削っていくようであれば赤字国債の発行減で金利低下に繋がりますからね。

最悪、債務上限の引き上げに失敗してシャットダウン（政府機関閉鎖）になれば、経済への悪影響は避けられませんからね。ダウなどは打撃を受けるでしょうが、金利低下の恩恵を受けるグロース銘柄、ナスダックにとってはトータルではプラスに働くように思います。

悲観的になる必要ナシッ！ただし、調整が長引く可能性が…エヌビディアを信じろ

結論として、弱気になる必要はないと思いますが、9月いっぱいぐらい我慢が必要になるかもしれません。早ければレーバーデー明けで再起動ですが、遅いとなかなか伸びきれない状況が続く可能性はありますからね。最悪、もう1度ぐらい利上げも想定されますから、そうなると高金利への慣れとかが必要なわけで、やっぱり時間が必要。握り潰す握力、体力勝負の部分が出てきてます。

エヌビディア（日足）:TradingView

PER100倍超とクソ割高ではありますが、エヌビディアは神決算を出したわけで。次の決算まで3ヶ月あるわけですから、その間に高値更新する可能性は極めて高いと思います。世界破滅級の何かが起これば別として、その可能性は低いかなと。

下限400ドルとして、買い進めていけば全く問題ないかと。相場環境が良ければ600〜700ドルぐらいは全然あるでしょう。まぁ高値圏でフルポジっちゃった人は半分ぐらい損切りして、少しずつ買い直していくとか、その程度で十分。超絶神決算を出してるわけですから、弱気になる必要はこれっぽっちもないかと。

ナスダック100CFD（日足）:TradingView

ナスダックも同様ですね。14,600ポイントレベルが目先の底ではありますが、上がりきれてないので利上げからのズルズルパターンだと14,000ポイントぐらいまで下値余地が広がる可能性はあるかなと。15,200〜15,400ポイントを抜けてくると雰囲気は変わりそうですが、そこから上は金利が下がるなど、明かなブースト要因が必要な気がします。

ポジが重めなら削って、下で買い増せる体力を確保しておいた方が良いと思います。15,000ポイント台がすでに重いですから。レーバーデーで再起動するのであれば、改めてコツコツ買い進めていけば良いだけなので、今はベースポジのみにしておきたいところでしょうか。

日経平均CFD（日足）:TradingView

日経平均も32,000円台の維持が厳しそうなので、引き続き31,000円前後までの調整はあり得るでしょう。とはいえ、円安効果で日本株は割安なのでなんだかんだ底値ではしっかり買われるので、底値はこれまでの想定通り30,600円を見ています。

こんなところでしょうかね。まぁ週末の雇用統計がクソ弱ければインフレも吹き飛びますし、金利も下がりそうなので、あとはレーバーデー明けの相場を期待するみたいな感じで良いんですが、雇用統計の数字が強めで金利も小高くギクシャクしたままだと回復に時間がかかりそうなので、その辺を十分認識した上で取り組んでもらえればと思います。

個人的には、下で拾ったポジションは削って6割ぐらいのベースにしつつ、下がればエヌビディアを優先的に買っていきます。とりあえず、3ヶ月もあるので高値更新はあるでしょ！という強気でやっていきます。

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