米国の経済指標を受け、ドル円は高止まりですね。レンジ抜けはなさそうかと思いきや、上値タッチしそうな雰囲気もありました。うーん、ちょっと行き過ぎのような気がしますし、またファースト・リパブリック銀行（FRC）に関連した報道次第でドルはずるりんちょしそうですけどね。

在庫の減少に引っ張られたとはいえ、第一四半期（1-3月期）のGDP・速報値は前期比年率で1.1%と予想（2.0%）を大きく下回りました。個人消費も＋3.7%（予想4.1%）となった一方で、FRBの注目度の高いコアPCE（個人消費支出の物価インフレ指標）が4.9%と予想（4.7%）を上回ったことで、インフレ加速・継続との見方からドル高という流れ。新規失業保険申請件数の数字も大きなサプライズとなりました。雇用市場も堅調と。

もっとも、個人消費が鈍る中でインフレが本格化って、まさにスタグフレーション（景気後退にも拘らずインフレ）みを感じるわけですけどね。FRBがこれを受けて利上げを継続するのであれば、やはりそうなっていくのかなという気はします。

まぁ金融不安で銀行がギクシャクする中で、FRB（米連邦準備制度理事会）は難しい選択を迫られそうですね。って、FOMC（米連邦公開市場委員会）は来週で、いよいよ週末金曜日は植田日銀新総裁になってから初の日銀金融政策決定会合になりますので、今後の展望とトレード戦略について詳しく解説していきます。

基本的にはサプライズなし！GWの円高まで見据えておきたい

基本的に今回の日銀金融政策決定会合では、YCC（イールドカーブコントロール）の修正などは行われない見込みとなっています。まぁ世界的にボチボチ利上げ停止が見込まれる中で、そこまで急いでやるほどではないですからね。インフレや賃金も日本はそこまで高まっているわけではないですし、そもそもとして最近は利上げそのものが金融不安を煽っていますから、様子見が妥当も妥当。俺もそうする、みんなそうする。

と、思わせといてのサプライズがないわけではないですが、確率としては非常に低いですからね。YCC修正、あるいはフォワードガイダンス（政策見通し）の導入で明確に修正予告のような文言が盛り込まれない限り、値動き的には瞬間的に円高になっても、最終的には円安に傾きそうですね。

あるとすれば、発表直前に警戒感から円高になるとかでしょうかね。最近はほぼほぼ11:45〜12:00の間に政策・声明発表がありますが、13:00に近づけば近づくほど、何らかの変更が加えられる可能性が高いと警戒感は強まりがち。YCC導入やYCC修正はいずれも13時過ぎに発表がありましたから。

なので、明日の値動きを見ながら円高になったらドル円やクロス円のショートポジションは閉じていく、順次損切りしていくのが良いと思います。

それから、GWの円高があるかないかで言えば、その可能性は高いと考えています。特に来週はFOMCにECB（欧州中央銀行）理事会がありますから、その結果次第で大きく円高に傾くことでしょう。今のところ、どちらも見通しは非常に難しく、どんな結果もあり得る状況です。

とはいえ、やはりドル安材料、つまり、米国の利上げは今回で打ち止めとか、仮に今回は利上げするにせよ次回以降は慎重に行うといった姿勢になれば、一度ドル安の加速から円高となり、クロス円全体が大きく崩れる可能性は十分でしょう。

なので、狙うとしたら、日銀通過で楽観からの円売り加速に乗っかって利益を出して、FOMC前に手仕舞い。FOMC直前にドル安・円高期待でドル円ショート、みたいなトレードが一番かと思います。

押し目を狙うのが自然！米国は月乳不安、FOMCもドル安意識でユーロは支えられやすいか

日銀のサプライズもあるかなとは思ったんですが、植田っちを見てるとハードルは高そうですからね。明日の11時ぐらいまでには半分ぐらいのポジションを損切りしてイベントには臨みたいかなと。まぁサプライズのYCC修正があれば、様子見ながら2〜3円下落したタイミングで全部切って、あとは下げ止まったところでドテンロングにはしたいところ。

難しいのは匂わせ演出ですよねw 政策・声明文の中に意味深なフォワードガイダンスなどが仕込まれると、1円幅ぐらいの下げはあるかもしれません。もっとも、この場合、よほど確定的な内容でもなければそれ以上は難しそうなので、基本的には下がったら押し目を狙うのが良さそう。

ドル円（日足）のチャート：外為どっとコム

サプライズのYCC修正があれば、130.00円の大台割れもあるかもしれませんが、そうなる可能性は相当低そうですからね。まぁギャンブルなら別にショートで良いわけですが、修正がなければ切り替えてドテン買いで押し目を拾っていくのが良いかもしれません。

ただ、ドル円はファースト・リパブリック銀行の問題もありますし、そこまでドルそのものが買われない点が懸念材料。FOMCへ向けての漏れ伝わってくる情報を見る限り、当局もかなり苦慮している様子が窺えます。

噂で買って事実で売るという格言もありますので、もしかすると現状維持でも瞬間的にやや円高に傾くかもしれませんが、その場合はしっかり押し目を拾っていきましょうということで。YCC修正・撤廃以外は積極的に押し目狙いで良いような気はします。

特に変更やフォワードガイダンスの導入でもなければ、133.00〜133.20円レベルを底として4〜5回に分けて買っていくイメージでしょうか。最悪、132.00円レベルを考えて買い下がってけば問題ないように思います。

フォワードガイダンスの導入など、変な要素があれば131円台に差し込んでくる展開もないわけではないでしょうが、そうなったらそうなったで131円台では自信を持って買いたいですからね。まず、これらで130.00円の大台を割り込むことはないので、とりあえず押し目を狙うのが自然なスタンスか。

ユーロ円（日足）のチャート：外為どっとコム

本当にやばい金融不安になれば、ドル高になって買われ過ぎたユーロ円もボッコボコになるでしょうが、もはや偶発的イベント頼りになってしまうので、日銀でサプライズがなければ、むしろユーロ円の押し目を狙うのが第一感ではあります。目先を見ても、なんだかんだファースト・リパブリック銀行の問題は、結局のところ米国限定の話でドル安に寄与しつつありますし、これがユーロ円を支えてるのも大きいですね。

派手に下げる時は下げるので、サプライズがあると手が出しにくくなってしまいますが、フォワードガイダンス導入程度なら、21日移動平均線（146.000円）すら割るかどうか見たいな話ではありますからね。この下には145.50円と蓋になってきた部分がサポートとして控えていますし、145.00円の大台節目も控えています。

よって、YCC修正でもなければ、とりあえずは145.00円ラインを大底として拾っていくのが良いのかなと。ただ、崩れて崩れてみたいなパターンだと、ドルのトレンド次第で苦しい状況が続きそうなので、145.00円レベルをあっさり割り込んでいくのであれば、一旦撤退して底を確認でしょうか。

ユーロの方が戻し余地、上昇余地ともにありそうですが、金利との乖離が乖離で織り込み過剰なだけに、念の為少し慎重にトレードしたいところではあります。底が確定すれば増やしていけるので、それでまずは見ておきましょう。


来週のFOMC、ECB理事会は蓋を開けてみればのパターンで円高になりそうな気はしますが、植田日銀総裁がハト派のイメージ継続だと、ユーロ円無双みたいな展開も考えられるので、明日にポジションは処理する予定です↓

ショートしかできねぇので何もしてません☺️余計なことはしないトレード。 pic.twitter.com/pHmelg2mVO

— アライ軍二等兵・KAGE (@araisanfx) April 26, 2023

明日は日銀の実況も兼ねますので、損切りもエントリーも全てアライさん（@pawhara_arai）でやっていきますので、フォローよろしくお願いします！明日は損を減らして利益を取っていきたいですね。押し目をしっかり活かせるように頑張りたいと思います！

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