本音としては日銀もマイナス金利解除はしておきたいのでしょう。もっとも、流石に今回（12月18-19日）の日銀金融政策決定会合で解除が決定されるかというと、その可能性は低めなのかなと。

というわけで、今週の日銀展望について質問が増えてきたので、背景と展望について解説していきたいと思います。それから、いつも書いていることではありますが、やはりブログを見る人だけだとなかなか記事更新が難しくなってしまうので、興味のあるサービスがあれば、ぜひブログのバナーを活用して口座開設いただければと思います↓

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来年を見据えて早期マイナス金利解除も？少なくとも地ならしは想定したい

なぜこのタイミングでマイナス金利解除という話が出てきたかというと、やはり植田日銀総裁のチャレンジング発言ですね。真意は不明ですが、少なくとも海外勢は困難を乗り越えるという意味でのチャレンジングと受け止めた模様。

そもそもとして、観測報道としては1ヶ月以上前から、地銀筋がマイナス金利解除を要望しているといった話はありましたからね。日銀も来年の春闘での賃金上昇を確認したいとの方向でこれまでは話が進んできましたが。では、改めてなぜこのタイミングなのか？

その背景としては、FRB（米連邦準備制度理事会）が利下げ姿勢を鮮明にしていることもあるでしょう。これまでは利下げ議論は時期尚早（ｷｯ としていたものの、いきなり利下げ議論をしたということで、下手をするとFRBやECBが利下げをスタートするタイミングで、日銀はマイナス金利解除という事実上の利上げをしなければならなくなります。

（海外の）利下げVS（日銀の）利上げという構図では、やはり印象として大幅な円高になりかねないということで、どさくさに紛れてさっさとマイナス金利解除はやっちゃいたい可能性。マイナス金利に関しては、事実上形骸化しているというか、現状の日本ではあまり意味もないですし、たった0.1%の利上げなわけですから、本質的には影響しないわけで。

まぁいきなりマイナス金利解除の可能性は低そうですけどね。とはいえ、報道にもあるように地ならしの可能性は十分あるでしょうし、もし今回の会合で解除するのであれば、今日深夜にも日経新聞あたりからリーク報道が出て、週明けは下窓、地獄の円高スタートになりそうです。

まず利上げは不可能だが、海外勢がそれを織り込むパターンには要警戒

仮にマイナス金利解除をしたとしても、実質賃金は低下し、そもそもGDP成長率が下方修正される中で、利上げをするのは正気の沙汰ではないですし、そうなったら円高加速で今度こそ日本経済がぶっ壊れるので、まず利上げはないでしょう。

とはいえ、海外勢からすればマイナス金利解除後に控えているのは利上げという見方にはなりがちなので、この部分をどれだけ日銀サイドが牽制できるかどうかが、相場の値動きに影響してきそうです。

まぁ基本的に今回のメインシナリオとしては、現状維持からの近いうちにマイナス金利解除、粘り強く金融緩和を続け利上げはしないといったメッセージを発することになるでしょう。値動き的には、マイナス金利を解除懸念で発表前に円高が相当進むのであれば、やれやれで反発もあり得そう。ただ、上値も重いままなので、どちらかというと目先は戻り売り・ショートが有利そうではありますが。

米ドル円（日足）のチャート

ドル円も結構良いところというか、今週も米金利低下がゴリゴリ進むならともかくとして、流石に140円割れ水準はやり過ぎなような気はします。日銀会合前に円高が進んで140円台の大台割れでオーバーシュートしているのであれば、初動の反発に期待してロングはアリでしょう。

とはいえ、結局は米国の利下げが織り込まれているので、なんだかんだ上値も重いわけで。すでに200日移動平均線（142.529円）で止められており、戻したとしても143〜145円がいっぱいかと思われますので、このレベルまで戻してきたらまた売ってみるといった感じでしょうか。

特に現状維持パターンでも近いうちにマイナス金利解除が示唆される可能性は高いので、そういった意味でも上値は重く、マイナス金利解除まではダラダラした円高方向の値動きが続きそうではありますからね。

まぁこのダラダラの円高を考えると、サプライズでいきなりマイナス金利解除して膿を出し切るみたいなやり方も考えられるわけですが。このサプライズパターンだと、やはり135円ぐらいまで急落もあり得そうです。このパターンなら予告演出、日経のリークがありますし、いずれにせよ軽くショートポジションは持っておきたい。

日経225CFD（日足）のチャート

日経平均は上がらないでしょう。直近のマイナス金利解除懸念が払拭されるようなハト派的な日銀会合になるなら別ですが、円高がネックとなって上値は重たくなっています。32,000円の節目割れて31,000円前後までオーバーシュートする可能性もあるので、買いは慎重に。

一方で、米国株は利下げを織り込んで絶好調モードがしばらく続きそうですから、32,500円以上では軽く売れますが、安易に突っ込んで売ると大火傷もありそうなので要注意です。

とりあえず、こんな所でしょうかね。週明けから日銀会合までは、とりあえず円高・日本株安を意識してトレードしていくしかなさそうです。あとは日銀の結果待ちですね。その辺については、詳しくはまた日々のブログで解説していきますので、よろしくお願いします。

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