ドル安ドル安ドル安ドル安！ツイッターでも繰り返している通り、とにかく今の相場の本質というか、短期的な流れが完全にドル安となっています。不確実性は高まっているように思いますが、FRB（米連邦準備制度理事会）が信用不安で預金が減少した中小の市中銀行を支えるために50兆円以上の資金を注入したことも大きいんでしょうね。

株式市場にはFRBの資金注入に伴いリスクマネーがリターン！ラリったようにリスクオンが継続、リスクマネーが株価を支えて本質的なリスクオフになりにくいことで、ドル高になりにくい＝ドル安というのもありそうな。まぁとにかく、短期的というか経済指標ギャンブルは、このドル安に賭けるのが一番という話ではあります。

ちょっと相場全体がグチャグチャしているというか、材料も多めで混乱している読者の方も多そうなので、今日は今夜のトレード戦略について解説するとともに、目先のトピックについて1つ1つ簡単にまとめておきますので、理解を深めていただければと思います。

ドル安過剰だが金利差縮小織り込みでリスクオンの円安も限界か

・米2月雇用動態調査（JOLTS）求人件数が2021年5月以来、1000万件割れ

昨日発表されたJOLTSは割と衝撃的結果というか、求人件数が予想の1040万件に対して結果は993.1万件と大幅な下振れとなりました。先月分も大きく下方修正（1082.4万件→1056.3万件）されています。

米国の雇用はタイトとされてきましたが、ようやく減速の兆しというのが明確に出てきたことでドル安。最近は本当にこの流れですね。米国の経済指標の下振れ→利上げ終了＆利下げ織り込み→金利低下でドルが売られています。

不確実性が高まればドルが大きく買い戻されそうですが、今のところは世界的にリスク無視で底堅いイケイケドンドン株高モードなので、指標の数字に素直に反応する値動きとなっています。

まぁ雇用統計記事で詳しく書きますが、求人転職を斡旋する米インディードでも15%のリストラがありました。要するにインディードに広告費をガンガン出してまで人を集めようというタームは終わったということですね。

低賃金労働はまだまだ引くて数多で雇用者数は堅調かもしれませんが、最近は平均時給にかげりが見えてきたことからも分かるように、少なくとも賃金の伸びは止まりそうです。

やはり雇用の生データを見れるインディードがリストラしたということは、そういうことなわけで、注目度の高い米国の雇用については、弱い数字を想定してギャンブルトレードをしていくのが良さそうではあります。


・RBNZ（ニュージーランド準備銀行）がサプライズの0.50%利上げ

昨日はRBA（豪準備銀行）が利上げを見送りの据え置き判断としたのと対照的に、RBNZは予想の0.25%の利上げに対して0.50%の引き上げ！サプライズとなりました。

トータルで見るとインフレ率は若干オーストラリアの方が高いぐらいですが、ニュージーランドは粘着性の高い家賃インフレ、そして期待インフレも高いことから、こういった判断につながったものと思われます。これを受け、金利差拡大からやや円安に傾く場面もありましたが、結局ドル円もクロス円も反落しています。

結局、利上げの継続性については疑問がありますからね。RBNZは次も0.25%の利上げをするでしょうが、状況が変われば現状維持もあり得るでしょうし、その時々の状況で変わってくるのであまり意味がないというか。そもそも、世界的にも相当金利は上がっているので、なんだかんだ限界には近いわけで。

そういった意味で、日本と世界の金利差縮小というテーマは今後出てきますから、なんだかんだ極端な円売りが出にくい地合いにはなるでしょう。リスクオンの株高にも限界があるでしょうからね。


・日銀のYCC解除と値動き期待について

ノーリスクというか、ノーインパクトでYCC（イールド・カーブ・コントロール）が解除できるチャンスになったので、サプライズで動いてくる可能性はありそうです。なんでこれまでYCC解除が問題になってきたかというと、いわゆる日銀アタックがあったからですね。

海外勢を中心に円債を売って意図的に金利を日銀の上限に貼り付けてプレッシャーをかけると。日銀がYCCを解除したら金利が上がる（価格が下がる）わけですから、そこで買い戻して利益を得ると。高く売って安く買うっていうトレードですね。

しかしながら、シリコンバレー銀行の破綻に伴い、世界的な利上げの流れは頓挫、米国を中心に世界的に国債利回り（金利）は大幅低下となりました。これは日本も例外ではありません。リセッションで不況になるんだから、やっぱり安心安全の国債買い（金利低下）だよねと。

というわけで、世界的な金利高という流れも一巡しており、日銀に対する利上げ・YCC解除圧力がほとんどなくなっていますから、以前のような円高イベントにはならなくなってきています。それでも、やはりYCC解除という流れになるなら、確実に世界と日本の金利差というのは今後縮まるわけですから、瞬間的に一定程度の円買いは出そうですし、円高気味の地合いにはなりやすいでしょう。


現状のトピックについてはこんな感じでしょうかね。トレード的にもドル円ショートがワークしそうな展開にはなっています。ただ、短期的にはそうでも、今のドル安はやや過剰気味なのも気がかりです。昨年の反動があるとはいえ、一方的過ぎるかなと。

経済状況を見ると、原油高で素直にインフレとなるなら、米国が一番利上げできそうな感じなんですけどね。FRBの5月据え置き、7月利下げが織り込まれていますが、行き過ぎ感はあるので短期はともかく、少し長い目で見るとドルの買い戻しも想定しておきたいところでしょう。

今夜のISMもドル円ショートでギャンブル！予想外に弱ければ底抜けも？

ISM非製造業指数が好不況の節目の50.0ポイントを下回れば、パニック売りが出そうな感じですねw 株安も重なってドル円が急落する可能性が高いです。一方で、予想よりやや弱い程度の数字だと、瞬間的なドル安が期待できるにせよ、継続性はなかなか難しいような気がします。

というのも、やはりドルは下げすぎですし、いくら米国の景気後退（リセッション）懸念と言っても、米国が悪いということは、その他の国はもっと悪いわけで。

今日は21:15にADP全米雇用報告、23:00にISM非製造業景況指数の発表があります。ADPも気になるところではありますが、雇用統計を占う上では全く意味がないことと、先ほども書いたように低賃金な雇用はまだまだ堅調ですから、雇用者そのものは多そうなので、ADPでの戻りを叩いて（ショートして）、ISMで盛大なギャンブル、みたいなトレードがベターかと思います。

ドル円（日足）のチャート：外為どっとコム

欧州時間帯でまたドル円下がってる…。いくらなんでもやりすぎ感あるけど、短期は流れに逆らう理由もないので、とりあえず今日のギャンブルはドル円ショートです。できればADPで戻したところを叩きたくはあるんですけどね。

目先は131.00円レベルが強めのサポートとなりそうで、ここを抜けたとしてもフィボナッチ76.4%水準の130.40〜130.50円が支えになりそうで、日足ベースで見てもこのレベルを抜けていくのは厳しそうな雰囲気。

なので、今からツッコミ売るよりはADPでの戻し、131円台後半ぐらいからショートできればベターかなという印象です。ISMの予想は54.5ポイントとなっており、50.0ポイントに近い数字が出るかどうかが注目されます。53〜54ポイント以上だと下げは限定的かもしれませんが、52ポイント台以下なら下げそうです。50ポイント台だったら130円の大台割れもありそうなので、それに期待しています。

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