週末に発表された雇用統計はまずまずの内容というか、バランス良く予想並のまさかの結果で、それこそゴルディロックス（適温相場）が継続しそうな数字でした。これを受け、米金利が反発、リセッション懸念から売られていたドルがやや買い戻し、株高の円売りで反応。もっとも、その後は伸びきれずという流れでした。

雇用統計の数字は見かけは堅調であるものの、増加の多くがレジャーや政府系雇用であり、少なくとも雇用者数にもピークアウト感は出てきていますし、賃金インフレもいよいよ減速といった感じにはなっていますからね。技術者のリストラは続いていますが、レジャーやウェイトレスとしての職場は、選ばなければいくらでもあるという状況なのでしょう。

まぁ今週も経済指標や当局の動向を見ながらという相場は変わらなそうですね。基本的に大きなトレンドが出る可能性は低いので、まずはレンジと割り切ってどうするかという話です。

それでは、週末に出た材料などを振り返りながら、今週のイベントなどを踏まえつつ展望について解説していきますので、よろしくお願いします。また、ブログ更新には日々数時間単位の時間をかけておりますので、応援リツイートや興味のあるサービスがあればブログのバナーから口座開設いただけると嬉しいです。リアルアライさんの生活改善にもつながりますので…本当に本当に社員一同一生懸命やってるのでよろしくお願いします｡°(°´ᯅ`°)°｡↓

しばらくはドルの上値は重い！植田っちの発言次第では大幅円高も？

少し長い目で見た時の大枠の方向性としては、ドル安・円高が緩やかに進むと思うんですけどね。米国の低調なやや過剰気味にドルが売られていても、雇用統計の数字であの程度しか反発しなかったわけですから、FRB（米連邦準備制度理事会）・金融当局がスタンスの変更でもしない限り、引き続き懸念からドルの上値は重いままでしょう。


■週末にニック砲（不発）！タカ派メスターも慎重姿勢に…

ヒントとなりそうなのが金融当局の代弁者でもあるFedウォッチャーのニック・ティミラオスの発言・記事なのですが、週末に出た記事で3月のFOMC（米連邦公開市場委員会）の内情について語られていました。これによると3月の利上げはギリギリの判断だったようです。

→Latest Fed Increase Came Down to the Wire. ‘That Was a Rough Weekend.’（外部サイト:WSJ）

シリコンバレー銀行の破綻によって金融市場が揺れる中、据え置き判断も議論されましたが、インフレへの懸念に加え、据え置き判断することが市場にとってかえって悪いメッセージに受け取られる可能性があるということで、ギリギリまで議論して0.25%の利上げとしたとのこと。

また、5月に利上げをしなければ、6月に利上げといったことにも言及されていますから、いずれにせよ、よほど見通しの変化がない限り、あと1回で利上げは終わりということでしょう。

実際にタカ派で知られるメスター・クリーブランド連銀総裁ですら、既に慎重な姿勢にシフトしており、先週のインタビューでは5月に利上げを実施する必要があるかどうかを判断するのは時期尚早とし、さらなる経済データを待つとしています。

というわけで、ターミナルレート（利上げの最終地点）はほぼ完全に織り込まれ、あとは利下げのタイミングがどうなるかという話ですから、ドルが大きく上昇する可能性は低いでしょう。

一方で、この記事ではFRBメンバーが利上げ判断に至った要因として、インフレに負ける可能性を強調していましたから、よほどインフレが大きく下がる、あるいは景気が悪化しない限り、なかなか利下げはされないでしょう。

堅調な雇用統計を受けても、市場は最短7月利下げを60%以上織り込んでいますから、ゴルディロックスとFRBの銀行救済資金で堅調な株式市場は、どこかで修正を迫られる可能性がある点には注意したいところでしょう。


■週明け早々に植田日銀総裁の就任会見！YCC調整・撤廃は？

頼んだで植田！ドル円ショートポジション持ち越しちゃったもんねー！まぁYCC（イールド・カーブ・コントロール）の調整・撤廃について、週明けから警戒感が高まる可能性は割とありそうですからね。まぁ期待が高まってるうちに利食いしたい。明日は岸田首相から午前中に辞令を受け取って、夕方・夜に会見という流れですから、なるべくならその間にサヨナラしたい短期ギャンブルのドル円ショートポジ↓

まぁサプライズでもないし、トレンド転換もなければ暴騰もねぇなってことでドル円ショート追加して下がるの待ち！まったり見てます😮‍💨 pic.twitter.com/g9miGeKBrt

— 米国株アライさん💛完全先出しFX実況戦士 (@pawhara_arai) April 7, 2023

実際の運用を考えると、サプライズで4月の日銀金融政策決定会合でYCCの柔軟化といった修正を行うと、海外勢が日銀アタック（国債売り）で政策修正圧力を高めてくる可能性がありますから、やるにしても4月はまだ地ならしの段階でしょう。

一方で、金融不安が若干燻り、米経済も減速気味で世界的に金利が下がってる今がYCC調整のチャンスでもありますから、最短シナリオで考えれば明日の会見では緩和姿勢全力ではなく、やや中立的なスタンスを取って、4月27〜28日の決定会合後の記者会見で柔軟化の可能性を示唆、6月に実際にYCC柔軟化という流れにはなるのかなと。

まぁ明日の会見でYCC修正に関するヒントが出る可能性は低いというか、そんなことをすれば独裁みたいなことにもなってしまいかねないので、基本はノーヒントでしょう。そういった意味で、警戒感から円高になる場面があれば、さっさと損切り・利食いはしておきたいですね。噂で買って事実で売るの典型的な値動きとなりそうです。

ドル円・クロス円の上値は限定的？インフレ懸念が高まらない限りはジリジリ下か

タカ派とされるECB（欧州中央銀行）も5月は利上げしても次はそろそろといった雰囲気になってますし、FRBは事実上次で打ち止め、RBA（オーストラリア準備銀行）は既に打ち止めという流れですから、金利差意識でドル円・クロス円がガンガン上がるというタームは完全に終わった感がありますね。

まぁ今後ガンガン上がるとすれば、やはりインフレが再加速した時ですね。OPECプラスの減産合意で原油が一段高となっているので、今後にはやや注意が必要ですが今週は特段動向ということはないと思います。

ドル円（日足）のチャート：外為どっとコム

ドル円は堅調な雇用統計の数字を受けても、21日移動平均線（132.321円）でビタ止め！週明け多少円売りがあったとしても、まずはこのレベルで止まるでしょう。流石に89日移動平均線（132.875円）を抜けて133.00円乗せという値動きになるなら、涙を飲んで即切りではありますが。

下値は130.60〜131.00円レベルがカチカチなので、ここを抜け切るような材料が出てくるかどうか。12日の米CPI（消費者物価指数）が決め手になるかどうかといったところ。それまでは下抜けもないと思います。なので、引っ張るにしても131円台前半ではさっさと利食いしたい。

ユーロドル（日足）のチャート：外為どっとコム

ドル安が加速する中、ユーロドルは一定レベルの反発を見せました。まぁECBが利上げ継続姿勢なので、米国と欧州の金利が接近しているというのもあるでしょう。もっとも、どちらも織り込みは相当進みましたし、雇用統計を受けてやや米金利は底堅くなりそうですから、ユーロドルの上昇も限定的と考えるのが普通かなと思います。

やはり決め手となりそうなのは、12日の米CPIで、これが大幅に減速感があれば再び米国の利下げ織り込みでユーロが一段高という展開はありそうですが。

上値目標としては1.10ドルの大台ブレイクですが、やはり材料がないと厳しいでしょう。1.09ドル台を維持し続けられれば、なんかの拍子にというのはありえます。下値は21日移動平均線（1.07961ドル）もある1.080ドルを守り切れるかどうか。ここを割り込んでしまうようだと、上昇機運も一服となりそうです。

ユーロ円（日足）のチャート：外為どっとコム

ドル円に顕著な上昇が期待できない以上、ユーロ円の上値も限定的でしょう。ユーロ買い材料が出てユーロドルがゴリゴリ上がっていけば別ですが、ドル安で突き上げを食らっている間は問題なく見てられます。ドル安ならドル円の上値は抑制されるか下がるわけで、自ずとユーロ円の上値も限定されますからね。

引き続き145円が天井で、日銀の政策修正期待が高まるのであれば、場合によっては143円割れもありそうです。141〜142円という水準を見るためには、ドル高も必要そうなので、そのつもりで見ておきましょう。


とりあえず、今週もこんな感じですね。よっぽど状況が変わるような材料、12日の米CPIが強いとかじゃないと相場の流れそのものは変わらないので、ドル円やクロス円のショートをどこかで狙ってくイメージですね。あとは、CPIギャンブルしましょう！もちろん、アライさん（@pawhara_arai）で完全先出実況するのでフォローしてください。それでは、今週も1週間よろしくお願いしますなのだ！

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困った時の通貨強弱。通貨強弱を見ると、1週間（左）では圧倒的な円高。本日営業日（右）で見ると円高・若干のドル安からの、極端なドル買い戻し。ロンドン勢の買い戻しが一巡すれば、またドル円は下がりそうな気がするのだが。 pic.twitter.com/DaGR6CZuiL

— 米国株アライさん💛完全先出しFX実況戦士 (@pawhara_arai) January 3, 2023

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